酔っぱらった勢いで暴行→被害者側との示談交渉の末、不起訴処分
[事例 96] 暴力事件 暴行
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・示談したい | |
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年齢 | 40代 | |||
職業 | 会社役員 | |||
罪名 | 暴行 | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
その日、Aさんは会社の食事会に参加していました。会が終わったあと、一人で別の店に行ってお酒を飲みました。それ以降の記憶がなく、次は目の前にいる警察官に逮捕されている状況でした。その時点では、嘘をつくわけにはいかないと考え、「覚えていない」と言い続けました。
次の日、検察官に会いました。検察官からは「タクシーの運転手とトラブルになり、運転手を平手打ちした」と聞かされました。驚きましたが、記憶がない以上事実と考え、「弁護士に依頼して謝罪したい」と伝えたところ釈放されました。
弁護士対応 - 被害者側であるタクシー会社との示談交渉
釈放されてから約1週間後、Aさんご自身が相談に来られ、依頼を受けました。
Aさんは、当事務所に相談に来る前に行った無料相談で、自分で謝りに行けばそれで済む、といった説明を受けていたため、すでにタクシー会社に謝罪に行く日程を決めてしまっていました。
後述しますが、このような事案で当事者が謝罪に行くと、お互いに感情的になりあまりいい結果になりません。しかし、一度した約束を破ることはさらに被害者の感情を害することになるため、どのような対応をするかをアドバイスし、まずはAさんおひとりで謝罪に行ってもらいました。
しかし、やはり運転手の方からさんざん怒鳴られるという結果に終わってしまいました。その後、私がタクシー会社へと連絡し、最終的には示談していただくことができました。
結果 - 示談交渉の結果が評価され、不起訴処分
結果として、示談交渉の結果が評価され、不起訴処分となりました。
示談交渉は、当事者が行うにはハードルが高いものです。また、被害者の方も、加害者を前にすれば怒りたくなくてもどうしても感情的になってしまいます。今回もそうであったように、当事者の方が示談交渉に出向くのは、かえってこじれさせてしまう危険があり、おすすめできません。弁護士を依頼し、交渉の始めから弁護士に間に入ってもらうべきです。
もちろん、その場合でも、依頼者の方の誠意がきちんと伝わるよう、謝罪文を書いてもらったり、その内容についてのアドバイスもします。そのうえで、それを持参して弁護士が謝罪に行きます。第三者である弁護士が入ることで、被害者の方も冷静に謝罪を受け入れてくれることが多いのではないかと、今までの経験から私は感じています。