酒に酔って駅事務室で駅員を暴行・器物損壊→示談を成立させて不起訴

[事例 220] 暴力事件 器物損壊
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 40代
職業 会社員
罪名 傷害・器物損壊
弁護活動の結果 不起訴

背景

ある日、Aさんは会社の同僚と飲みに行き、かなりの酩酊状態になりました。そのあと、帰宅するために駅の方に行った際に、駅員に暴力を加えてしまい、さらに、駅事務所の電話線を切断してしまいました。

その後、警察や検察庁で取り調べを受け、ご本人が直接、駅事務室へ出向いて謝罪等を行いましたが、被害者の方との接触ができず、また示談をどのように進めたらよいのかわからないとのことで、ご相談をされ、ご依頼をいただきました。

弁護士対応 - 被害者の2者に対して、同時平行に示談交渉を行う

受任後、直ちに我々弁護人の方で、被害者の方との示談交渉を始めました。

今回は、被害者としては、傷害の被害者と器物損壊の被害者である鉄道会社と2者ありましたので、示談交渉も、傷害の被害者に対してのものと、器物損壊の会社に対してのものの2つを同時並行で行う必要がありました。

具体的には、傷害の被害者に対しては、慰謝料等の損害賠償金の支払い等を行い、器物損壊の会社に対しては、同じく慰謝料等の損害賠償金の支払いと同時に、告訴取消書(器物損壊罪は親告罪といって被害者の告訴がない限り捜査は進められないので、示談交渉の際には告訴を取り消してもらう書類を作成することになります)の作成をお願いしました。

結果 - 不起訴処分に

被害者の窓口となる担当駅員の方との交渉を何度も重ねた結果、傷害の被害者との間で示談が成立し、さらに器物損壊の会社との間でも示談が成立し、告訴取消書の作成も取り付けることができました。

そして、最終的に、Aさんは不起訴処分となりました。

弁護士からのコメント

示談交渉は、被害者の方に対して、本当に申し訳ないという気持ちと、誠意をもって対応することが大事です。したがって、我々弁護人も、依頼者の言い分をお伺いしつつ、やってしまったことを心から謝罪し、丁寧に説明をし、今後は二度とやらないということを被害者の方に理解してもらって、示談書を作成してもらうように心がけています。

このように、間に立つ弁護人が誠心誠意対応することにより、被害者の方もだんだんと怒りが収まってきて、示談書の作成に協力していただけることがあります。ただ、中には、加害者に対する怒りがどうしても収まらず、残念ながら示談不成立となることもございます。

依頼者の方には、弁護人がどのような活動をしていくのかを十分に理解していただき、そのためにできることのお願いをし、ご協力を頂いております。

やってしまったことをきちんと反省しつつ、被害者の方にできることを誠意をもって行う。刑事事件の示談交渉はこれに尽きると考えます。