撮影音が出ないカメラアプリを使用して女子高生を盗撮→不起訴処分

[事例 213] 性・風俗事件 盗撮
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 30代
職業 会社員
罪名 盗撮
弁護活動の結果 不起訴

背景

Aさんは、事件の1週間ほど前に、音の出ないカメラアプリをスマホで見つけ、興味心からダウンロードしました。そして、事件当日、通勤途中の電車内で「アプリを使えば撮影ができるかもしれない」と思い、興味本位で車内にいた女子高生を盗撮してしまいました。

Aさんはその後、車内で警戒中の警察官に見つかり、最寄りの警察署へ任意同行を求められました。

幸い逮捕はされず、その日のうちに帰宅することができましたが、Aさんは前科がつくことを恐れ、相談に来られました。

弁護士対応 - 事件が報道されるのを防ぐために上申書の提出、意見書の作成

Aさんは、大手企業に勤めており、事件が報道されることを恐れていました。そこで、まず初めに、警察署長宛てに報道発表を控えるよう上申書を提出しました。事
前に警察に電話確認していたこともあり、その後この件が報道されることはありませんでした。

そして、Aさんは今回の件を不起訴にして前科を避けたいとの希望であったため、警察に示談を希望している旨伝えましたが、被害者の親御さんが示談に応じるつもりがないとのことで、連絡先を教えてもらうことができませんでした。

その後、検察にも同様の確認をしましたが、被害者の対応は変わらず、結果として示談交渉を行うことはできませんでした。

そこで、最終手段として、Aさんの了解のもと、弁護士会に30万円の贖罪寄付を行い、寄付金を犯罪被害者支援等に役立ててもらうことで、Aさんの今回の件についての謝罪と反省の意を伝える形をとりました。

そして、Aさんは十分に反省しており、再犯の可能性もないことから、今回に限り不起訴処分が相当である旨の意見書を作成し、これに寄付の証明書等の資料を添付して検察官に提出しました。

結果 - 不起訴処分に

結果として、示談が成立しなかったものの、寄付等の事情が評価されてか不起訴処分となりました。

弁護士からのコメント

被害者が未成年者の場合、示談交渉の相手方はその親権者となります。この場合、当事者以上に被害感情が強く、示談交渉ができないこともあります。

そうした場合であっても、前述のような寄付などの代替手段をもって、本人の反省の意を伝えることも可能です。

示談が成立しない場合、寄付のみで不起訴になる可能性は決して高くはありませんが、最後まで諦めずに活動した結果、不起訴処分になったのだと思います。