遺族対応が不十分であると指摘してきた検察官へ事情説明→罰金刑で済んだ

[事例 103] 交通事故 人身、死亡事故
性別 男性相談に至った
経緯
・示談したい
年齢 20代
職業 会社員
罪名人身・死亡事故
弁護活動の結果罰金刑

背景

その日、Aさんは一人で車を運転して、自宅に向かっていました。普段通りの運転をしていましたが、突然、目の前に歩行者の男性が現れました。そこは横断歩道のない片側一車線ずつの道路でしたが、その人は道路を横断してきたのです。
Aさんはよけることができず、男性と衝突してしまいました。目撃者が通報などをしてくれましたが、残念ながら事故の翌日、男性は亡くなってしまいました。
事故から3か月後、Aさんは検察庁に呼び出されました。そこで、遺族に対してしっかり対応をしていないと責められてしまったのでした。
Aさんは不安になって、弁護士に相談しようと考えました。

弁護士対応 - 遺族対応が不十分だった事情を検察官に説明

Aさんは、検察庁に呼び出された翌日に、事務所に相談に来られました。
検察官からは「遺族に対して何もしていない」と言われてしまいましたが、話を聞いたところ、実はAさんは何もしようとしなかったのではなく、やろうと思ったことをご遺族に確認したところ、お通夜、告別式、初七日、四十九日そのすべての面会を断られてしまっていたのです。まずは検察官の誤解を解かなければならないと思いました。そこで、弁護士がAさんがどうしてご遺族に謝罪できていないのかを書面でまとめ、検察官に提出しました。併せてAさんにはご遺族への手紙を書いてもらい、検察官にAさんの気持ちを分かってもらうようにしました。
それと同時に、事故の態様は必ずしもAさんだけが悪いとは思えませんでした。そこで、その点を弁護士から検察官に伝えました。
その後、何度か検察官を通じてご遺族にコンタクトをとった結果、お墓参りだけは許可してもらい、Aさんはすぐにお墓にお花を供えに行きました。今まで被害者やご遺族へ自分の気持ちを示すことができていなかったAさんはこれだけでもほっとしていた様子でした。

結果 - 検察官に理解してもらうことができ、罰金刑で済んだ

最終的には検察官には事故の態様やAさんの反省の気持ちを理解してもらい、罰金刑でおさまりました。

弁護士からのコメント

Aさんは保険会社に任せてしまって動かなかったわけではありません。Aさん自身としては必死に謝罪をしようとしていたのですが、ご遺族に断られ続けてしまったのです。そして、次第にご遺族の気持ちを考えるあまりに行動に移れなくなってしまいました。
亡くなっている事故では、ご遺族への謝罪の対応が、刑罰を決めるうえで非常に重要になってきます。保険会社に任せっきりにするのは問題外ですが、客観的に動いていなければ、検察官からは同じように見えてしまうこともあります。そして、死亡事故の場合、事故の態様によっては罰金で済まないケースも少なくありません。今回の事件は、Aさんが強い反省の気持ちを持っており、その気持ちを検察官に伝えることができたために、罰金で収まったのだと思います。