無免許運転で人身事故を起こしてしまい、起訴後に依頼→執行猶予を獲得

[事例 72] 交通事故 人身、死亡事故
性別 男性 相談に至った
経緯
・起訴された・釈放してほしい
・執行猶予にしてほしい
年齢 40代
職業 会社員
罪名 無免許過失運転致傷
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんは、父親の経営する会社名義の車に乗って、旅行に出かけました。ドライブ中、つい景色の良さに目を取られてしまい、前をしっかり見ていませんでした。そして、前を向くとすぐ前に信号で止まっていた車がありました。驚き、ブレーキを踏みましたが、そのまま追突してしまいました。
Aさんはすぐに車を降りて、前の車に近づきました。乗っていたのは年配のご夫婦でした。被害者たちが通報し、Aさんは逮捕されました。実はAさんは無免許運転だったのです。
2日後、検察官が勾留を請求しなかったため、Aさんは釈放されました。車が会社名義であったためか、会社が加入していた任意保険から治療費等が支払われることになりました。
しばらくして、Aさんは検察官に呼び出されました。そしてそこで、「起訴をして、裁判にします。」と言われました。

弁護士対応 - 治療費の支払や、Aさんの反省態度を裁判所に主張

検察官により起訴されたそのあとに、Aさんはご相談にいらっしゃいました。そこで執行猶予を目指して活動していくことになりました。
まず、幸いにも名義人である会社が加入していた任意保険が、被害者への治療費等を支払ってくれていました。そこで、弁護士から保険会社へと連絡を取り、被害者への治療費の支払いの状況等の報告書を作成してもらい、裁判所へと提出しました。
また、Aさんは事故直後から、被害者へは自ら連絡を取り続け、謝罪を続けていました。そこで、あえて弁護士が介入せず、アドバイスをしながら、Aさん自身に被害者への謝罪などを続けてもらいました。その結果、被害者の処罰感情は、裁判時には緩やかなものとなっていました。
この方は、小さな違反が積み重なって免許が取り消されていました。そこで、今後は交通法規を守ることを被告人質問でしっかり誓ってもらい、家族がきちんとそれを監督することも裁判官に伝えました。

結果 - 執行猶予付判決を獲得。

結果は、執行猶予付きの判決でした。

弁護士からのコメント

刑事事件の場合、どの時点でどのような活動をするかが、最終的な処分へと大きく影響します。
この事件は、残念ながら検察官が起訴したそのあとでのご相談でした。起訴後の場合、一般的に結果が罰金で終了することは、まずありません。もちろん、この事件が起訴前に弁護士をつけていれば絶対に結果が変わったかは分かりません。しかし、いったん起訴されてしまえば、そのあとどんなにAさんに有利なことがあっても、手続を起訴前に戻すことはできませんから、その有利なことを評価してもらうのにも限界が生じてしまうのです。
そこで、刑事事件の被疑者になってしまった方は、できるかぎり早く、弁護士を依頼して、その時々においてベストな活動をするべきなのです。