コカイン使用・所持で逮捕・勾留・起訴→執行猶予判決

[事例 431] 薬物事件 その他薬物
性別 男性 相談に至った
経緯
・家族が逮捕された
・執行猶予にしてほしい
年齢 20代
職業 無職
罪名 麻薬及び向精神薬取締法違反
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんは、コカインの使用の事実により逮捕・勾留されてしまいました。
Aさんが逮捕された後、Aさんのお母様からAさんについての弁護のご依頼がありました。

早速、警察署に行ってAさんと接見をしたところ、Aさんは、起訴されて実刑になってしまうのではないかなどと大変心配をされていました。

弁護士対応 - 接見を重ね裁判の準備を行った

コカインの使用の事実によって20日間勾留された後、Aさんはコカインの所持の事実によって再逮捕され、その勾留の満了日にコカインの使用の事実と併せて起訴されてしまいました。

起訴後は保釈の制度がありますので、早速保釈の請求を行いましたが、残念ながら保釈の請求は却下されてしまいました。
そのため、勾留されたままの状態のAさんと接見を重ね、裁判の準備を行いました。

裁判では、Aさんのお母様に証人として出廷していただき、Aさんを監督することを証言していただきました。
弁護人の主張の中で、お母様が監督をすると約束してくれていることに加え、保釈が認められず相当長期間にわたって身柄拘束を受けており、既に相当な制裁を受けていることを主張しました。

結果 - 実刑を避け、執行猶予判決に

検察官からは懲役1年6か月が求刑されましたが、弁護人側が主張したAさんにとっての有利な事情が考慮され、懲役1年6か月・3年間執行猶予という判決が宣告され、実刑を避けることができました。

弁護士からのコメント

今回の事件では保釈が認められませんでしたが、そのことを「相当長期間の身柄拘束を受けていて既に相当な制裁が与えられているため、これ以上の刑罰を科す必要はない」という有利な材料として使用しました。
保釈が認められなかった場合には、裁判でこのような主張をして執行猶予付きの判決を含め、少しでも軽い刑にするよう求めていくことが多いです。

また、仮に実刑判決に至った場合には、勾留されていた期間のうちの一部は未決勾留日数として既に刑を受け終わったものとみなしてもらえるのが通常です。

保釈が認められなかったことは必ずしも全てマイナスなわけではなく、それがプラスに作用する面もるといえるのです。