会社の商品等を持ち帰って転売したことが会社に発覚→示談

[事例 296] 財産事件 横領、背任
性別 女性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 20代
職業 会社員
罪名 横領・背任
弁護活動の結果 不起訴

背景

複数回にわたって会社の商品を持ち帰って転売していたAさんは、そのことが会社に発覚してしまい、会社側からヒアリングを受け、解雇されることになってしまいました。

そのヒアリングの中で、転売した会社の商品の詳細を明らかにして、損害を賠償しなければ警察に被害届を出すと言われました。

不安になったAさんは、すぐに当事務所に相談に来られました。Aさんのご依頼は、会社側と示談をして、被害届を提出されないようにしてほしいというものでした。

弁護士対応 - 被害のあった会社へ示談交渉

ご依頼をいただいた後、早速、弁護士が会社側に連絡し、示談をしたい旨を伝えました。

会社側からは、Aさんが持ち去った商品と転売して得た金額の詳細を明らかにするように求められましたので、Aさんの手元に残っていた資料とAさんの記憶に基づいて、一覧表を作成して会社側に提出しました。

その後、会社側から、その一覧表に基づいて横領した金額を支払うよう求められました。しかし、その金額はAさんが持ち去った商品の合計金額やAさんが転売して得た利益から考えて、明らかに高額でしたので、会社側にその算定根拠を明らかにするように求めました。

会社側からその算定根拠が明らかにされましたが、合理性のない根拠に基づいて算定されていることが明らかでした。

そこで、Aさんと相談の上、適正な損害の算定の仕方を考え、それを弁護士から会社側に示した上で、適正な金額を支払って示談をしたい旨を伝えました。

結果 - 示談が成立し、被害申告取り下げに

会社側もその提案に理解を示し、こちらの提示通りの金額で示談を成立させることができました。

示談書には示談金を会社側の指定口座に入金することを条件に、捜査機関への被害申告をしないという条項を記載しました。

示談書を取り交わした後、速やかに示談金全額を指定口座に入金したため、Aさんは被害申告をされることはありませんでした。

弁護士からのコメント

今回、警察に被害届が提出される前の段階で示談が成立したため、Aさんは警察からの取調べを受けずに済み、前科どころか前歴さえも付かずに済みました。

当初の会社側からの要求金額は非常に高額なもので、その算定根拠は何ら合理性のないものでしたが、Aさんが自分で交渉を行っていたら、その合理性のない根拠に基づいた非常に高額な示談金の支払いに応じてしまっていたかもしれません。

今回、弁護士が入って交渉し、適正な算定根拠を具体的に示して交渉を行ったことで、結果的に約3分の1の金額で示談を締結することができましたので、Aさんにとってもご満足いただける結果となりました。