複数人が関与する詐欺に関わったとして逮捕・勾留→保釈・執行猶予

[事例 298] 財産事件 詐欺
性別 男性 相談に至った
経緯
・家族が逮捕された
・示談したい
・起訴された・釈放してほしい
・執行猶予にしてほしい
・接見・差入れしたい
年齢 20代
職業 会社員
罪名 詐欺
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんは、複数人が関与する詐欺に関わったとして逮捕・勾留されてしまいました。

Aさんが逮捕・勾留された後、お父さんが当事務所に相談に来られ、Aさんについての弁護のご依頼をお受けしました。

Aさんのお父さんは、Aさんが起訴されて実刑になってしまうのではないかと大変心配なさっており、少しでも早くAさんが自宅に帰って来られるようにしてほしいとおっしゃっていました。

弁護士対応 - 実刑を避けるために被害者への示談交渉

ご依頼を受けた後、早速、弁護士がAさんの留置先の警察署に行ってAさんと接見をしました。

Aさんは、逮捕された件については確かに身に覚えがあり、被害者に謝罪できるのであれば謝罪したいなどと言っていました。
そこで、被害者の方と示談をして不起訴処分になることを目指すことにしました。

早速、担当検察官と連絡をとって被害者の連絡先を教えてもらおうとしましたが、捜査中であることを理由に教えてもらうことができませんでした。

その間に、Aさんには被害者への謝罪文をお書きいただき、Aさんのお父さんには示談のためのお金をご準備いただきました。

結局、勾留期間中には被害者の連絡先を教えてもらうことができず、Aさんは詐欺によって他の共犯者とともに起訴されてしまいました。

起訴後は保釈によって釈放されることが可能ですので、起訴されて間もなく保釈の請求をしました。しかし、保釈は認められず、その決定に対して不服申し立てをしましたが、それも通りませんでした。

その後、検察官から証拠の開示がなされ、それらの証拠について裁判で争わないという意見を検察官に対して連絡した段階で、再度、保釈の請求をしたところ、ようやく保釈が認められ、Aさんは逮捕されてから約3か月ぶりに帰宅することができました。

起訴後、被害者の連絡先を教えてもらうことができたため、他の共犯者の弁護人と協力して示談交渉を行いました。
しかし、被害者の処罰感情は強く、結局示談を成立させることはできませんでした。

その後に行われた公判では、Aさんが被害者宛てに書いた謝罪文の写しなどを提出したほか、お父さんにも証人として出廷していただき、Aさんを監督することを証言していただきました。

結果 - 執行猶予付き判決を獲得

検察官からは、懲役1年6月が求刑されましたが、被害者に対する謝罪の意思を示していることやお父さんが監督を約束していることなどのAさんにとっての有利な事情が考慮され、懲役1年6月・3年間執行猶予という判決が宣告され、実刑を避けることができました。

弁護士からのコメント

今回の事件は、複数人が関与する組織的な詐欺事件だったこともあり、保釈がすぐに認められず、また被害者の処罰感情も強く、示談成立に至らないなど、弁護活動を行う上で様々な困難がありました。

しかし、Aご自身が真摯に反省して被害者に対する謝罪の意思を示したことや、Aさんのお父さんのご協力があったことなどから、2度目に保釈請求をした際には保釈が認められ、最終的には執行猶予付きの判決を得ることができました。