ブランド品を万引きして窃盗罪→弁償状況の証拠化、反省の態度を示して執行猶予付き判決

[事例 101] 財産事件 窃盗
性別 女性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
年齢 30代
職業 会社員
罪名 窃盗・万引き
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんご本人が相談に来られました。半年ほど前にブランド品を万引きしてしまい、警察から取り調べを受けている、ということでした。
詳しく話を聞くと、Aさんは万引きしてしまった商品を数日後に買い取り業者に転売していました。どうやらそこからAさんの犯行が、捜査機関の知るところになったようでした。

弁護士対応 - 被害者対応、再犯防止のためカウンセリングを受けるよう指導

万引きした商品がブランド品であり、被害金額が数十万円と高額であったこと、そして、すぐに売却し利益を得ており転売目的の犯行を疑われていることから、不起訴は相当に困難と考えました。
しかし、公判請求されてしまうにせよ、被害者への対応は必須です。まずは被害者へと連絡を取りました。話し合いの結果、弁償を受け取ってもらい、被害品の受け取りは辞退する(被害者の手元に商品が残る)という形をとることになりました。
さらに、反省を深めてもらうため、また再犯の防止のためにカウンセリングに通ってもらい、どうしてこのような犯行に及んでしまったのか、答えを探してもらうようにしました。

結果 - 弁償状況を証拠化、反省の態度を裁判官に伝え⇒執行猶予付き判決を獲得

結果として、やはり公判請求されてしまいました。しかし、弁償の状況を証拠化し、カウンセリングに通って深まった反省の言葉を裁判官に伝え、無事に全て執行猶予付きの判決となりました。

弁護士からのコメント

起訴されるか不起訴になるか、執行猶予が得られるか実刑になってしまうか。被疑者被告人の立場に置かれた方には最大の関心ごとと思われます。
裁判官の考え方としては、刑の重さは、どのような行為をしたのか、それによってどんな結果が生じてしまったのか、によって一次的な幅が決まるとされています。今回の事件でいえば、万引きという態様の窃盗行為によって、数十万円という財産的被害が(弁償するまでは)生じた、ということがまずは判断されるということです。してしまったことが事実である以上、それは覆りません。今回も、弁償によって、一度生じた損害は回復されていますが、一度生じたことは事実でしたので、不起訴というのは難しかったと思われます。