痴漢 [公開日]2017年9月27日[更新日]2020年9月18日

痴漢の罰金と刑罰|逮捕後の流れと共に解説!

「満員電車内で痴漢をした男が逮捕された」「痴漢行為をした犯人が、ホームから飛び降りて逃走した」などという報道が流れることがあります。

このような痴漢行為をした場合、迷惑防止条例違反、もしくは強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

この記事では、それぞれの罪にはどのような違いがあり、また、刑罰はどのように規定されているのか、逮捕された後はどうなるのか、最終的な処分はどうなるのかなどについて、説明していくこととします。

1.痴漢の刑罰・罰金|二つの規定の違い

(1) 迷惑防止条例違反

いわゆる迷惑防止条例は、都道府県が制定しているわけですが、条例の名称、痴漢に該当する行為内容やその罰則にも、都道府県によって違いがあります。

東京都やその近隣の県の場合、条例の名称については、東京都、千葉県が「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」とし、埼玉県が「埼玉県迷惑行為防止条例」、神奈川県が「神川県迷惑行為防止条例」としています。

そして、痴漢に該当する行為内容について、例えば東京都迷惑防止条例では、以下のように規定しています。

「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、次に掲げるものをしてはならない。」(5条1項柱書)
「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触ること。」(同条同項1号)

また、その罰則・罰金については、以下の通りです。

通常の場合「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(8条1項2号)
常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(8条8項)

(2) 強制わいせつ罪

他方、強制わいせつ罪は、以下のように規定されています。

「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」(刑法176条)

わいせつな行為とは、被害者の性的な羞恥心を害する行為です。

13歳以上の者に対しては、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為を行った場合、それ未満の者に対しては、わいせつな行為をした場合に、強制わいせつ罪が成立します。

電車内での痴漢は、迷惑防止条例違反に問われることが多いのですが、下着の中に手を入れる行為等、犯行態様が悪質な場合には、身体を触る行為それ自体が暴行と評価され強制わいせつ罪に問われることになります。

なお、条例違反行為の罪も、強制わいせつ行為の罪も、親告罪ではありませんので、告訴がなくても起訴される可能性があります(非親告罪)。

2.逮捕後の流れ

(1) 逮捕、勾留

痴漢で逮捕された場合、警察で取り調べを受け、48時間以内に身柄を検察官のもとに送られます。検察官は、身柄を受け取ってから24時間以内、かつ、逮捕から72時間以内に裁判官に勾留請求するか、それとも釈放するかを判断します。

痴漢で逮捕された場合、検察官から勾留の請求がありますと、裁判官は勾留質問を行ってその当否を審査します。

罪を犯した疑いがあり、住居不定、罪証隠滅のおそれ又は逃亡のおそれのいずれかに当たり、捜査を進める上で身柄の拘束が必要なときに、被疑者の勾留を認めます。

電車やバスでの痴漢で、被疑者と被害者・目撃者の面識がなく、素直に犯行を認めている場合には、不正な働きかけによる罪証隠滅・逃亡のおそれはないとされ、検察官が勾留請求をしない場合や裁判官が勾留請求を却下する場合もあります。

勾留期間は原則10日間ですが、やむを得ない場合には、更に10日以内の延長が認められます。

検察官は、勾留期限までに被疑者を起訴するか、それとも不起訴として釈放するかを決めなくてはなりません。勾留期限は、勾留請求した日から最大20日間、逮捕からは最大23日間です。

さらに、起訴された場合には、保釈が認められない限り、身体の拘束(起訴後勾留)が続くことになります。

(2) 最終的な処分

痴漢で逮捕された被疑者が痴漢を認めている場合、その処分としては起訴猶予による不起訴処分、起訴処分が考えられます。

起訴された場合の刑罰としては、罰金(条例違反の場合)、懲役刑が考えられます。

初犯であれば、起訴されても罰金または執行猶予が付くことが多いと思われますが、性犯罪の前科がある、犯行態様が非常に悪質な場合には、実刑という場合もあるでしょう。

3.不起訴のための被害者との示談

処分結果に最も影響を与えるのが、被害者との示談です。

示談は、示談金を支払うことを条件に、被害者から許しを得るものです。

示談の合意が成立した証拠として作成される示談書には、被害者が「処罰を望まない」、「寛大な処分を望む」、「宥恕する(ゆうじょ=寛大な気持ちで許す)」などの宥恕文言が記載されます。

示談金の支払によって、①被疑者側が反省し、被害の回復に努力したこと、②被害が金銭的に補償されたこと、③被害者の処罰感情、被害感情が無くなったことが明らかとなるため、被疑者に有利な事情として考慮され、検察官の判断を不起訴に傾けることになるのです。

痴漢で逮捕された人に有利となる結果を導くには、いかに早期に事件に対応し、示談を成立させることができるかにかかっているわけです。

しかし、示談となりますと、被害者の心情に配慮しなければなりませんので、かなり高度な交渉ごとになります。

被疑者の家族などが被害者側との示談交渉に当たることも可能ですが、被疑者に肩入れして、かえって被害者の心情を害してしまうリスクがあります。

また、実際のところ、被害者の連絡先を加害者やその家族は知ることができません。弁護士が、加害者に教えないことを条件に、捜査機関を通じて被害者から、その連絡先を教えてもらいます。こうして、初めて示談交渉が可能になります。

よって、示談交渉は、法律のプロである弁護士に委ねるのが望ましいといえます。被害者の心情にも配慮しながら、適切な金額で示談成立に尽力します。

早期に示談が成立すれば、検察官が勾留請求を思いとどまることも期待できますから、逮捕された直後の早い段階で、弁護士に依頼することが望ましいことになります。

[参考記事]

痴漢の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

4.泉総合は痴漢弁護経験が豊富です!ぜひご相談ください

痴漢など絶対にしないと思っていても、ふと魔が差して痴漢をしてしまった、ということは誰にでもあり得ることです。

迷惑防止条例違反の行為といえども、逮捕・起訴されたりしますし、処分が罰金であっても前科となります。「痴漢程度」などと甘く考えてはいけません。

不起訴などで最終処分を有利に導くためには、刑事弁護の経験豊富な弁護士に弁護依頼をしてください。

泉総合法律事務所は、刑事事件、中でも痴漢の弁護経験につきましては大変豊富であり、勾留阻止・釈放の実績も豊富にあります。

痴漢をしてしまった、逮捕されてしまったという方は、お早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

痴漢の刑事弁護は泉総合法律事務所まで

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