暴力事件 [公開日]2017年10月18日[更新日]2019年10月29日

器物損壊罪は親告罪!更なるトラブル回避・示談交渉は弁護士へ

他人の物を壊してしまった場合、刑法上、「器物損壊罪」という犯罪が成立します。
このことについては、多くの方が聞いたことあるのではないかと思います。

ここでは、その器物損壊罪について、どのような場合に成立するか、犯してしまった場合でも捕まらないことがあるのか、また、逮捕された場合に前科を免れるにはどうすれば良いのか等を解説していきます。

1.器物損壊罪とは

刑法261条は「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定めています。

この罪は、故意で行った場合、つまり、わざと壊した場合にのみ成立し、何らかの落ち度や不注意、つまり過失による場合には成立しません。
また、未遂(物を壊そうとしたにとどまる場合)も処罰規定がないため成立しません。

器物損壊の対象となる「物」は、たとえば車、窓ガラス、パソコンなど、他人が所有する物すべてが含まれます。
動物愛護の見地からの批判も多いですが、他人の所有する動物を傷つけた場合にも刑法上は器物損壊の罪に問われることになります。

器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用、つまりその利用価値を侵害する行為を言います。
典型的な例は、窓ガラスを割るなど、物を物理的に破壊することです。

もっとも、飲食店の食器に放尿・唾を吐く、他人のペットを逃がす、壁に落書きや張り紙をするなど、日常用語で「損壊した」と思われないようなものも、刑法上「損壊」と評価されることもあります。
物を汚したり、動物を逃がしたりすることによって、それらがもたらす利益、利用価値が失われまたは損なわれることがあるためです。

上記の例でいえば、お店は汚された食器をお客さんに出すわけにいきませんから捨てるしかないでしょうし、逃げてしまったペットはかわいがることができず、壁も落書きや張り紙の程度が酷ければ持ち主としては恥ずかしくてそのままにしておくことはできないことでしょう(対象が建物の場合は建造物損壊罪という別罪が成立します)。

一時期話題になったスマホの持ち去りも、持ち主にスマホを使うことができなくさせるという点から、器物損壊罪にあたるとされました。
スマホを取り上げて自ら使ったり売り払ったりするつもりがあれば窃盗罪が成立しますが、単に持ち主を困らせようという意図があるだけでも損壊したと言えるためです。

2.器物損壊の罪で逮捕されるか

(1) 器物損壊で逮捕されるケース

器物損壊罪は、刑法で定められている罪のなかでは、法定刑の範囲を見ても比較的軽微な部類と言えるものです。そのため、逮捕をされることはあまり考えられません。

もっとも、例外もあります。例えば、現行犯の場合と、罪が一つではなく複数あるなど犯行態様が悪質な場合です。

まず、現行犯の場合ですが、車や自転車を傷つけている際、その持ち主に取り押さえられ、警察に通報されてしまうような場合です。この場合、持ち主の行為を正当化するため、現行犯逮捕という扱いになります。

とはいえ捜査機関が長期間の拘束までは必要としないと判断する場合も多く、数日後に解放されることが多いでしょう。

次に、罪が複数の場合です。例えば、自宅近くの駐車場の車を手当たり次第に何度も傷つけていたような場合には捜査機関が取得した通常の令状による逮捕がなされ、さらに勾留(逮捕に続けて行われる、より長期にわたる拘束)までされてしまう可能性が高くなります。

(2) 前科を免れる方法

器物損壊は親告罪です。
親告罪とは、壊された物の持ち主が「告訴」という「犯人を処罰して下さい」という意思表示がないと起訴することが出来ないと定められている犯罪です。

よって、器物損壊罪は、被害者が告訴をしなければ、又は一度した告訴を取り消してもらえれば、たとえ逮捕されたとしても釈放され、起訴されないので有罪とはなりません。

反対に、逮捕がされなくても被害者が告訴をすれば、略式起訴で罰金刑となってしまう可能性があります(罰金でも有罪であり、前科がつきます)。

これを避けるためには、被害者の方に謝罪し、その物の損害を弁償し、さらには慰謝料を支払うことなどによって示談を成立させ、告訴状を提出しないようにしてもらう(もしくは取り下げてもらう)ことが重要です。

被害届は単に犯罪の被害に遭ったという事実を捜査機関に知らせる機能しかないので、被害届が出ていても告訴はないというような場合には親告罪の捜査・起訴はなされません。

【器物損壊罪の時効について】
被害者が告訴できる期間(告訴期間)は、犯人を知った日から6ヶ月です。
また、器物損壊罪は3年で公訴時効にかかるため、その期間が経過すると検察官から起訴される可能性はなくなります。

3.示談を弁護士に依頼すべき理由

では、被害者と示談をするためにはどうしたらいいのでしょうか。自分自身で話し合ってもいいものなのでしょうか。

結論として、示談は基本的には弁護士を依頼し、交渉も弁護士に任せるべきです。
それは、以下の理由によります。

(1) 人間関係の問題で難航しがち

器物損壊の場合には、罪を犯してしまった人と被害者との間に人間関係の問題や感情的対立が生じているケースが多々あります。

たとえば、騒音やゴミ出しの仕方などでトラブルになっていた近隣住民がいて、その腹いせにその方の自転車を壊したり、ペットに危害を加えたりしたようなケースです。

このような場合、当事者同士では冷静な話し合いができず、さらなるトラブル、たとえば傷害事件などに発展しかねません。
さらに紛争がこじれるのを防ぐために、第三者である弁護士に交渉を委ねるのが得策でしょう。

(2) 示談書の作成も任せられる

上記のとおり、示談をする際には告訴を取り消してもらわなければなりません。

しかし、そのようなことを捜査機関に申し出る書類(取下書)を書いてもらうよう相手方にお願いするのは、被疑者の方では困難です。
不当に高い慰謝料や理不尽な条件を提示されてしまう可能性もありますし、また、話し合いが成立してもそれを裏付ける書類をどう書いたらいいかも分からないと思います。

弁護士ならば、示談金の相場や示談書の書き方、スムーズな告訴の取下げ等を熟知しています。被害者に寄り添った対応で、スムーズに示談を成立させることができるでしょう。

このように、器物損壊事件における示談交渉は、弁護士に任せることをお勧めします。
器物損壊罪をはじめとして多数の刑事事件に取り組み成果をあげている法律事務所にご相談、ご依頼ください。

[参考記事]

刑事事件における示談総説。示談の意義、タイミング、費用など解説!

4.器物損壊などの刑事事件は泉総合法律事務所へ

器物損壊事件だけでなく、泉総合法律事務所は様々な刑事事件の弁護経験・示談交渉経験が豊富で、事務所の男性弁護士全員が積極的に刑事事件の弁護に取り組んでおります。

示談交渉は早期の着手が重要となりますので、器物損壊罪に問われてしまった場合には、お早めに泉総合法律事務所にご相談ください。

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