痴漢 [公開日]2017年7月31日[更新日]2020年9月7日

夫が痴漢で逮捕された場合、釈放されるには?妻にできることとは?

夫(旦那)が痴漢の疑いで警察に逮捕された場合、犯行が悪質なときや、否認しているケースなどは、逮捕された後、勾留決定が下される可能性があります。

逮捕後、勾留されると最大23日間、身柄を拘束されます。会社は無断欠勤で解雇されるか、事件発覚による懲戒解雇される可能性があります。

何としてでも勾留を回避し、釈放を目指さなければなりません。

では、釈放されるため、勾留されないためにはどうしたら良いのでしょうか?夫が捕まったら、妻ができる行動には何があるのでしょうか?

ここでは、痴漢の逮捕・勾留について、基本から解説させていただきます。その後、釈放に向けた弁護活動についてご説明いたします。

1.痴漢は何罪?

「痴漢罪」という犯罪はありません。
痴漢を犯すと「①迷惑防止条例違反」もしくは「②強制わいせつ罪」の容疑で逮捕される可能性があります。

(1) 迷惑防止条例違反

東京都の迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)の規定は以下の通りです。

5条1項「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」

この様に、迷惑防止条例では痴漢行為が禁止されていて、それに違反すると罰則として「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(8条1項2号)、常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(8条8項)という刑罰が科される可能性があります。

東京都以外の神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏をはじめとして全国に同内容の迷惑行為防止条例が制定されています。
(内容はほぼ同じですが、名称が異なっていることもあります。)

(2) 強制わいせつ罪(刑法176条)

刑法176条「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」

わいせつな行為とは、被害者の性的な羞恥心を害する行為ですから、痴漢行為もここに含まれます。

強制わいせつ罪が成立するには、13歳以上の被害者に対しては手段として、「暴行又は脅迫を用いて」いることが要求されますが、相手の身体に触る痴漢行為は、それ自体がわいせつな行為であると同時に、暴行行為であると評価されます。

強制わいせつ罪では、犯行場所が迷惑行為防止条例のように公共の場所・乗物に限られてはいません。

強制わいせつ罪の刑罰は、「6月以上10年以下の懲役」と重いものとなっています。

罰金刑もないため、起訴をされたら略式起訴(書類上の手続だけで罰金となる「略式手続」という裁判手続を求めるもの)とはならず、正式起訴(公開の法廷で裁かれる正式裁判手続を求めるもの)となります。
有罪判決となった場合、軽くても執行猶予付き懲役刑となりますから非常に重い犯罪といえます。

電車内などでの痴漢行為は、迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪の両方に該当するものですが、実務上は、下着の中に手をいれて直接に被害者の身体に触ったり、長時間の痴漢行為に及んだりといった、殊更に悪質な犯行であって、はじめて強制わいせつ罪に問われ、それ以外は迷惑防止条例違反で処分されるにとどまります。

2.逮捕・勾留とは

(1) 逮捕による身体拘束

逮捕」というと、手錠をはめる、あの一瞬の出来事のことをイメージされる方が多いと思います。
しかし、逮捕とは、法律上はもう少し時間的に幅のある概念です。

逮捕された場合、48時間~72時間は身体拘束状態が続きます。

この記事をご覧になっている方の中にも、まさにこの逮捕の期間中の方が家族にいらっしゃる方もいるかと思います。

要注意なのが、この逮捕期間の間は、奥様を含めたご家族さえも、逮捕されている夫に面会ができない点です。
逮捕の期間内に唯一旦夫に会えるのが、弁護士なのです。

つまり、奥様が弁護士に「これとこれを夫に聞いて来てほしい」と頼み、弁護士が夫と逮捕期間中に接見し、夫の回答を奥様にお伝えするというお手伝いができるのです。

刑事弁護の依頼を受けた弁護士が奥様の伝言やご主人の伝言を伝えることは、逮捕された方にとって外部との情報の交換をする唯一のルートであり、本人と家族等の不安・心配を解消し、来たるべき捜査側との戦いに備えるために、非常に重要な役割です。

もちろん、弁護士の活動は、これにとどまりません。

弁護士は逮捕されたご主人ができるだけ早く釈放されるように、ご主人から事件内容等を詳細に聞き取り、警察官、検察官の取り調べへの対応の助言や、奥様の身元引受書や上申書、ご主人の上申書、弁護士意見書を検察官に提出して、勾留請求しないよう・釈放するように働きかけること(つまり勾留阻止活動、釈放活動)をこの段階での主たる業務として行います。

また、検察官が裁判官に勾留請求した場合、弁護士は、裁判官の勾留質問への対処の仕方をご主人に助言し、裁判官に意見書を提出して釈放を働きかけます(勾留については次の段落でご説明します)。

(2) 最大20日間拘束される「勾留」

「勾留」では、逮捕と同様に身柄が拘束されますが、その身柄の拘束期間が(起訴前は)通常10〜20日間というように、逮捕と比べてかなり長いです。

つまり、欠勤が10日〜20日続く可能性があり、この場合会社を事実上クビになってしまう危険性が非常に高いです。

勾留は、被疑者に罪証隠滅の恐れや、逃亡の恐れがあり、身体拘束の必要性があると判断された場合に行われます。
例えば、容疑を否認している場合には、上記恐れがあると推認される可能性があります。

勾留期間中も、逮捕期間と同様に、犯行の理由や余罪に関する取り調べを受けることになります。

3.釈放されるための弁護士による刑事弁護活動内容

無断欠勤が続くことは当然避けたいところです。
「夫の仕事がクビになったら、今後の家族の生活はどうなるのか」「住宅ローンや車のローン、子供の教育費が払えなくなるのでは」など、奥様の心配は尽きないでしょう。最悪の場合、夫婦関係が破綻して離婚ということにもなりかねません。

そのような心配・不安を解消するために、弁護士は「釈放」に向けて、勾留阻止活動や準抗告、被害者との示談等を行うことになります。

(1) 勾留阻止

勾留は必ず行われるものではありません。検察官が裁判官に勾留請求するか否かを様々な証拠を踏まえて判断し、裁判官がその請求を検討した上で、理由と必要性があれば勾留決定するという仕組みになっています。

そこで弁護士は、まず、検察官に、家族の身元引受書や上申書、弁護士意見書を提出して、勾留請求をする必要がないと働きかけることができます。

また、裁判官の勾留質問については、被疑者に対応を助言するとともに、弁護士意見書を裁判官に提出して、裁判官に勾留決定しないよう働きかけます。

これらの勾留阻止活動・釈放活動の結果、泉総合法律事務所では、釈放を数多く実現しています。

(2) 準抗告

残念ながら勾留されてしまった後でも、弁護士は、勾留を取り消して欲しいと申立をする裁判を提起することもできます。これが「準抗告」です。

準抗告が認められ勾留決定が取り消され釈放されることは極めて少ないのですが、当所では4週間連続して4件準抗告が認容されたこともあり、その中には痴漢の刑事事件もありました。

(3) 示談

勾留阻止や準抗告のために大切なのが、被害者との示談交渉です。
示談が早期に成立して検察官に示談書を提出すれば、特に迷惑行為防止条例違反の痴漢の場合には、勾留請求を阻止できる可能性が高くなります。勾留済みの場合でも、延長請求されずに済むことや釈放も見込めます。

示談の流れは、まず、弁護士が捜査機関に被害者の連絡先を教えてもらい、弁護士が被害者に電話し、お会いする日程調整をします。

弁護士は被害者に夫に書いていただいた謝罪文をお渡しするなど、被疑者が心から反省していること・再発防止を約束することなどをお伝えして、示談の交渉を行います。示談内容に納得していただけたら、示談金をお渡しし、示談書に署名とハンコをいただきます。

奥様が捜査機関に「示談したいから、被害者の連絡先を教えてください。」とお願いしても、通常、教えてくれません。また、奥様が被害者にお会いすることも通常できません。

被害者の連絡先を知ることができるのも、被害者とお会いできるのも、弁護士だけなのです。

[参考記事]

痴漢の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

4.痴漢の刑事弁護は泉総合法律事務所まで

痴漢など絶対にしないと思っていても、ふと魔が差して痴漢をしてしまった、ということは誰にでも起こり得ることです。

迷惑防止条例違反の行為といえども、逮捕・起訴されたりしますし、処分が罰金であっても前科となります。夫が痴漢で逮捕された場合、奥様は非常にショックを受けると思われます。

不起訴などで最終処分を有利に導くためには、刑事弁護の経験豊富な弁護士に弁護依頼をしてください。

泉総合法律事務所は、刑事事件、中でも痴漢の弁護経験につきましては大変豊富であり、勾留阻止・釈放の実績も豊富にあります。

痴漢をしてしまった・逮捕されてしまった・前科を付けたくない・被害者と示談したいという方は、お早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください

痴漢の刑事弁護は泉総合法律事務所まで

痴漢など絶対にしないと思っていても、ふと魔が差して痴漢をしてしまった、ということは誰にでもあり得ることです。迷惑防止条例違反の行為といえども、逮捕・起訴されたりしますし、処分が罰金であっても前科となります。

不起訴などで最終処分を有利に導くためには、刑事弁護の経験豊富な弁護士に弁護依頼をしてください。

泉総合法律事務所は、刑事事件、中でも痴漢の弁護経験につきましては大変豊富であり、勾留阻止・釈放の実績も豊富にあります。

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