刑事弁護 [公開日]2018年1月12日[更新日]2022年10月17日

検察官(検事)の職務内容を分かりやすく解説!弁護士とは相反する立場

弁護士とは相反する立場である検察官(検事)の職務内容とは?

検察官とは、「刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。」ことを職務とする国家公務員です。

検察官には、検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事の4つの官職があります。

ここでは、検察官の職務、役割などについて解説します。

1.検察官の役割

・起訴前時点での捜査担当検事の職務

一般的に、検察官は、警察官等が把握した事件について、警察官に対して捜査指揮をするとともに自ら捜査をし、警察官が作成した警察官面前作成調書の検討や検察官面前調書を作成して、どのような事実が存在したのかを明らかにします。

そして、捜査の結果、被疑者がどのような事実が存在したのかを明らかにし、被疑者を起訴するのか不起訴にするのかどうか、起訴するとして略式起訴(罰金刑)か公判請求かを決めます

公判請求を裁判所に対して請求する場合には、捜査担当検事は公判の最後で公判検事が述べる論告求刑の求刑を通常決めることになっています。

2.公判検事の役目

公判検事は、捜査検事が起訴した事件の公判を担当します。

公判の担当に際しては、検事は、起訴された事件について証拠類を自らの視点で眺めなおし、立証計画を策定します。

捜査検事は、常に大量の事件を抱えて多忙な中、勾留期間の制限を受けながら事件を処理しており、中には、証拠が十分でない場合など、公判検事が補充で捜査すべき事件があります。

そのため、公判検事は、起訴された事件について、必要に応じて自ら捜査をするなどして十分な立証ができるように公判の準備をします。

また、起訴後、弁護人が被害者との間で示談を成立させるなど、事件についての事情は、日々刻々と変化します。

そのため、公判検事は、事件の変化に応じて、起訴段階で捜査担当検事が決めた求刑を変更したり、立証方針を変更したり、適切な対応を取ります。

3.どんな時に検察官は控訴するのか

公判の最終局面において、検察官は、あるべき判決(裁判所の宣告刑)についての意見を述べます。

この意見は、求刑と呼ばれます。

裁判所は、この求刑に拘束されずに判決を下します。

すると、判決と求刑が大きくずれる場合があり、検察官が事件の実情を踏まえて、そのずれを許容できないと考える場合、検察官は、控訴します。

たとえば、検察官が実刑相当であると考えているのに執行猶予付きの判決が下されたり、長期間の実刑が相当と考えているのに短期間の実刑が下されたり、という場合に検察官は控訴します。

また、ごくまれに、裁判所は、法的になしえない判決を下すことがあります。

たとえば、法定刑を超える判決が下されたり、未決勾留日数について、多すぎる期間を参入したりした場合です。

このような場合、判決宣告期日の終了前に検察官や弁護人がこれを指摘することができれば、裁判所は、判決を訂正することができます。

しかし、判決宣告期日が終了した場合、この誤りを訂正する方法は控訴しかなく、検察官が控訴します。

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