泉総合法律事務所の解決事例:酔っ払っての刑事事件(痴漢、暴行・傷害、窃盗)
お酒が好きな方は多く、友人や会社関係での飲み会に赴くことはよくあると思います。
適度なお酒であれば気分転換になり、気持ちがいいものです。しかし、度を過ぎて意識がなくなるほど飲んでしまうと、思わぬトラブルを起こしてしまうことが多々あります。
実際、飲み会でひどく酔っ払い、「電車を使い一人で帰宅する際に車内で近くの女性に痴漢行為をしてしまった」「酔っ払って他の客と口論になり殴ってしまった」などの刑事事件を起こし泉総合法律事務所に弁護依頼される方はしばしばいらっしゃいます。
ここでは、酔っ払ったこと(意識・記憶がない状態)で起こしてしまった刑事事件の弁護活動について、痴漢(迷惑防止条例違反、不同意わいせつ)・暴行、傷害・窃盗のケースを主に解説します。
1.「酔っ払って記憶がない」は警察に通用しない!
「意識がなくなるほど飲んでしまい、そのまま寝てしまった経験がある」という方も多いと思います。「酔うと記憶がなくなるものだ」というケースもあるかもしれません。
しかし、このような状態で刑事事件を起こしてしまい、気づいたら警察署にいた(警察の留置場にいた)というケースで、「酔っ払って記憶がない」と警察官に供述すると、犯罪行為を「否認」としていると受け止められます。
その結果、逃亡の恐れがあるとして逮捕されて強制捜査になるのが通常です。
反対に、酔っ払っていても記憶があり、警察官に対して犯罪行為を認めたならば、警察で任意の取り調べを受けた後に家族が身元引受人として迎えに来るのが通常です。
犯行を否認しておらず、家族もいて所定の居住地があるのならば、家に帰しても逃亡の可能性は低いと判断されるからです。
警察官としては、「酔っていて意識や記憶がないと言っても、犯行時に意識や記憶がないほどの状態であれば犯罪行為はできないはずで、犯行当時は多少なりとも意識はあった」と考えます。
したがって、意識・記憶がない=犯罪行為をしても故意がなかった、ということにはならないのです。
2.逮捕後、恐怖の10日間勾留を避ける方法
「あくまで私は意識・記憶がないほど泥酔していたのだから、痴漢行為・暴力行為をやっていない」などと主張してしまうと、逮捕に次ぐ10日間の勾留が待ち構えています。
逮捕で警察の留置場に留置されるのは2日ないし3日です。その後勾留されずに釈放されれば、会社や学校などに対しても何とか欠勤・欠席の言い訳をすることもできるでしょう。
しかし、逮捕に続き10日間の勾留となれば、逮捕されていることを会社に告げざるを得ないでしょう。そうなれば、勾留後に釈放され出勤できるようになっても、最悪の場合懲戒解雇が待っています。
また、無断欠勤となった場合には、会社から欠勤の理由を厳しく追及される可能性が高いです。
会社が納得のいく説明をできなければ、やはり懲戒解雇の可能性はあるでしょう。
その意味では、例え逮捕されたとしても勾留を阻止・回避し、何としても逮捕後2日〜3日で自宅に帰ることができるように対処することが重要です。
このような「否認による逮捕・勾留」が問題となるケースは、酔っ払っている状態での刑事事件以外でも多数発生します。
泉総合法律事務所では、痴漢や暴行事件など多数の刑事事件において、勾留阻止活動、釈放活動を成功させておりますので、ご家族の方も安心してご連絡ください。
3.酔っ払って起こした刑事事件の解決事例
最後に、酔っ払って起こした刑事事件について、泉総合法律事務所がこれまで対応してきた解決事例をご紹介します。
事例1:酔っ払って路上で女性に強制わいせつ(不同意わいせつ)
事件の概要
飲酒でかなり酔ってしまった依頼者様は、自制心が働かなくなり、深夜見かけた女性のあとをつけて暗がりで抱き締めたことで強制わいせつ(現不同意わいせつ)で逮捕されてしまいました。
当事務所の弁護士は、依頼を受けて直ちに警察へ接見に出向き、依頼者様から事件の全般を聞き取り、その上で勾留阻止・釈放活動に着手しました。
しかし、強制わいせつは重い性犯罪です。通常、検察官、裁判官に働きかけても勾留を阻止できないことが多く、準抗告という申し立てをしても勾留決定取消となることはありません。
準抗告棄却は予想されていましたので、弁護士は被害者との示談交渉を早急に行うことで、示談成立・告訴取消による釈放を狙うことに標準を当てて弁護方針を立てました。
勾留後に示談成立で早期釈放
幸い、被疑者の連絡先を検察官を通して教えてもらうことができましたので、弁護士は速やかに被害者に連絡をして示談を成立させました。
これにより、告訴取消を取り付けて無事に釈放・不起訴となりました。
もっとも、平成29年7月に性犯罪が厳罰化され、強制わいせつは非親告罪となりましたので、現在は示談成立でも釈放されず起訴の可能性があることを念頭に置いておくべきです(初犯なら示談成立で釈放・不起訴となる可能性は高いです)。
なお、強制わいせつによる勾留決定に関して、準抗告を行い勾留決定取り消しとなった(釈放となった)ケースも過去にはあります。
もっとも、これは強制わいせつの痴漢の事案でしたので、「路上で抱きつく」という本件の事案と比べると悪質性が低いと評価されたため準抗告認容となったとも思われます。刑法改正により性犯罪の厳罰化がされた今、強制わいせつ(不同意わいせつ)の事案で準抗告が認容されるかどうかは何とも言えません。
事例2:酔っ払っての暴行、傷害
事件の概要
酔っ払っての刑事事件では、性犯罪(痴漢、不同意わいせつ、不同意性交等罪)よりも暴行・傷害事件の方が多いです。
性犯罪と同様に酔っ払って自制心が効かなくなり、暴行・傷害行為に及んでしまいます。この場合、酔ってはいるものの意識はあることが多いです。
当事務所にも、酔っ払った状態で暴行を加えてしまい、逮捕直後に家族から刑事弁護を依頼されたケースがあります。
弁護士は直ちに接見に出向き、翌日の検察官の取り調べへの対応を助言し、家族の身元引受書や弁護士意見書を検察官に提出するなどして勾留阻止を働きかけました。
早期の弁護士相談によりその日のうちに釈放
上記のような弁護士活動の結果、検察官は勾留請求せずに依頼者様はその日のうちに釈放されました。
酔っ払っての暴行・傷害事件の場合は、先述の通り通常意識があるので、犯行を否認することはあまりありません(当初警察官に覚えていないと言っていても、酔いが覚めて冷静になり、認めるパターンが多いです)。
そのため、痴漢などの性犯罪と比べれば、逮捕されることはあまりありません。
それでも、犯行を否認する、もしくは否認にみなされるような言動をしてしまうと、逮捕となります。逮捕後も否認と受け止められる言動を貫くと、検察官による、そのまま勾留となり会社などに影響が出る可能性があるでしょう。
これを避けるためにも、逮捕されたとの連絡を家族が受けたら、勾留阻止実績・釈放実績多数の弁護士に刑事弁護を依頼することをお勧めします。
事例3:酔っ払ったまま他の客の持ち物を持ち出してしまった(窃盗)
事件の概要
酔っ払っての犯罪は、今見たとおり、痴漢、不同意わいせつ、暴行・傷害が主ですが、窃盗事件を起こしてしまうこともあります。
酔ったことにより自制心がなくなるばかりか、まったく判断能力が失われてしまった結果、通常ではありえない罪を犯してしまうことのです。
当事務所に依頼があった事件では、居酒屋でかなり酔っ払ってしまい、気づいたら他のお客の持ち物を店外に持ち出してしまったというものがありました。そのお客が見つけて警察に通報された結果、逮捕されてしまいました。
示談が成立し不起訴
刑事弁護を依頼されたのは土日でしたが、弁護士は直ちに逮捕されている警察署に接見に出向き事情を聴こうとしました。しかし、被疑者となった依頼者様本人は、事件のことをほとんど覚えていませんでした。
そこで、記憶がなくなる前までのことを詳細に聞き取るとともに、警察官から聞かれたことも聴取して事件の概要把握に努め、翌日ある検察官の取り調べに対する具体的対応方法をアドバイスしました。
さらに、家族の身元引受書や上申書、弁護士意見書を作成して検察官に提出し、検察官に勾留請求をしないよう働きかけました。
結果、無事に釈放されたことで仕事への支障は生じずに済みました。
被害者との示談交渉は難航しましたが、何とか示談が成立して不起訴となり、大変喜んでいただきました。
4.酔っ払って事件を起こしたら弁護士へ相談を
酔っ払って意識のないまま(記憶のないまま)事件を起こしてしまった場合、10日間の勾留避けるためには逮捕された直後に、刑事事件に強い弁護士に刑事弁護を依頼することしか方法はありません。
泉総合法律事務所では、早期の対応が必要な事件の際は、代表泉のほか、刑事事件の経験・実績が豊富な弁護士が釈放活動・勾留阻止活動を担当しています。
当事務所所属の弁護士が刑事弁護依頼を受けますと、早急に被疑者の元へと接見に出向き、本人から詳しく事情を聴くとともに、逮捕後48時間以内にある検察官の取り調べへの具体的な対応の仕方を助言します。
あわせて、家族から身元引受書を取り付けますし、被疑者からの事情聴取などを踏まえて検察官が勾留請求をとどまるような弁護士意見書も作成して検察官に提出し、勾留しないように働きかけます。
その結果、検察官に勾留請求されずに翌日釈放された解決事例は多々あり、会社を欠勤することなく日常生活に戻ることができたケースも非常に多いです。
泉総合法律事務所は、あらゆる刑事事件の弁護に精通しており、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の首都圏に19拠点事務所を展開しています。
弁護士に心当たりのない方は、是非とも当事務所に刑事弁護をご依頼ください。