財産事件 [公開日]2020年5月18日

なぜ下着泥棒をするのか?下着泥棒の特徴と心理

下着泥棒は、刑法上の住居侵入罪・窃盗罪に該当する重大な犯罪です。

世の中には、下着泥棒で一度捕まっても、また繰り返してしまうという人が一定数存在します。
こうした人々の心理については、第三者からはなかなか理解しがたいものでしょう。

しかし、もし身内が下着泥棒をしてしまったり、自分自身が下着泥棒の衝動を抑えきれなくなってしまったりした場合は他人事ではいられません。

なぜそのような事態が発生するのかについて正しく理解した上で、犯してしまった罪に対処し、更生への道を歩み始める必要があります。

この記事では、下着泥棒を繰り返す人の心理や、下着泥棒で逮捕された場合の対処法などについて解説します。

1.色情ねらいの窃盗は検挙率が高い

まずは、平成30年度版の『犯罪白書』のデータを用いて、下着泥棒の特徴を分析してみましょう。

データから導き出される結論としては、下着泥棒は窃盗の中でも検挙率が高いということがいえます。
以下、詳しく見ていきましょう。

(1) 下着泥棒の認知件数は全窃盗の1.4%

まず、下着泥棒などの色情ねらいの認知件数が全窃盗に占める割合は、1.4%です。

全窃盗中で大きな割合を占める自転車盗(31.3%)、万引き(16.5%)、車上・部品ねらい(12.5%)などと比べると、それほど大きな割合を占めているわけではありません。

下着泥棒などの色情ねらいの窃盗は、通常の金品目的の窃盗とは異なり特殊な性癖を原因とする場合が多いため、窃盗全体に占める件数の割合は低くなっていると推測することができます。

(2) 下着泥棒の検挙件数は全窃盗の2.1%

一方、下着泥棒などの色情ねらいの検挙件数が全窃盗に占める割合に目を移すと、2.1%となっています。

認知件数の割合よりも検挙件数の割合が高くなっているということは、下着泥棒などの色情ねらいの窃盗は、窃盗の中でも検挙される確率が高い類型であるということができます。

住居侵入を伴う場合が多い

下着泥棒などの色情ねらいの窃盗の検挙率が高い一つの理由としては、住居侵入を伴う態様で行われる場合が多いということが挙げられます。

通常下着が保管されているのは女性の自宅なので、下着泥棒を働くためには、女性の自宅に侵入する必要があります。

一般に、窃盗の中でも住居侵入を伴う態様で行われるものについては、被害者のプライバシーを侵害する度合いが高いことから、情状が重いと判断される傾向にあります。

したがって必然的に、検挙率も上がってくることになります。

被害者意識の高さ

また、下着泥棒などの色情ねらいの窃盗は、下着という非常にプライバシー性の強い物が窃盗の対象になっています。

そのため、被害者が強い嫌悪感と被害者意識を持つことが多く、この点も検挙率の高さに繋がっていると考えられます。

犯罪の情状を判断する際には、被害者がどの程度心理的な被害を受けたかという点も重要な要素として考慮されます。

下着泥棒などの色情ねらいの窃盗の場合、被害者の尊厳を大きく傷つける行為ですので、情状が重く評価され、検挙率が上がると考えられます。

2.下着泥棒を繰り返す人の心理

下着泥棒が重大な犯罪であることはわかっているはずなのに、なぜ下着泥棒を繰り返してしまう人がいるのでしょうか。

この点、下着泥棒には大きく分けて、以下の2パターンがいるものと考えられています。

  • 窃盗自体が目的の人
  • 性的な興奮を得ることが目的の人

それぞれの特徴について解説します。

(1) 窃盗自体が目的の場合

一つ目のパターンは、窃盗自体が目的で下着泥棒を繰り返す場合です。

窃盗自体が目的で下着泥棒を繰り返す人は、窃盗という行為そのものに取りつかれてしまっているという特徴があります。

こうした人は必ずしも、下着を盗んで性的欲求を満たしたいと思っているとは限りません。
仮に下着を盗むことに成功したとしても、性的な欲求を解消するためには使わず、そのまま自宅のタンスなどに保管するケースも多いようです。

たとえば、もともとは金目の物を盗むために住居に侵入した際、ついでに下着を盗んだことが始まりであるという下着泥棒が多く見受けられます。

金目のものに金銭的な価値があるのはわかりやすいところでしょう。
これに対して、女性用の下着には必ずしも金銭的な価値があるとは限りません。

しかし女性用の下着は、男性にとっては普段手にすることができない物であり、また女性のプライバシーが大きく関係する物でもあります。

そのため、下着泥棒にとっては、女性用の下着は金目のもの以上に価値ある戦利品であると感じられる場合があります。

このような場合には、一度衝動的に下着を盗むことに成功した快感が忘れられずに、繰り返し下着泥棒を働いてしまうということがあるようです。

何度も下着泥棒を繰り返すうちに、より難易度の高い形での下着泥棒にチャレンジしようとする傾向もしばしば見受けられます。

こうした下着泥棒は、性的な目的というよりも、「下着を盗む」というプロセスに依存しているということができます。

(2) 性的な興奮を得ることが目的の場合

もう一つのパターンは、性的な興奮を得ることが目的で下着泥棒を繰り返す場合です。

特に下着泥棒の場合、単純に性的な事柄に関係する物に触れる・盗むということだけでなく、「女性のプライバシー空間に侵入している」ことによる背徳的な興奮をおぼえるというケースも多いようです。

このように、下着泥棒という非日常的な行為によって性的な興奮が増幅され、依存症的に下着泥棒を繰り返してしまうという場合があります。

3.下着泥棒で逮捕されたら

万が一、下着泥棒を行ってしまい、警察に逮捕されてしまったらどうすればよいのでしょうか。

その場合には、速やかに弁護士に依頼して弁護活動を行ってもらう必要があるでしょう。

下着泥棒は住居侵入・窃盗罪という重い罪を構成するため、初犯であっても起訴されて裁判にかけられ、前科が付いてしまう場合もあります。

そのため、いち早く被害者に対して謝罪を行い、弁護士を通じて示談交渉を進める必要があります。

もし示談が成立すれば、検察官に起訴猶予(不起訴)処分にしてもらえたり、仮に起訴されたとしても軽い刑で済んだりする可能性が高くなります。

また、下着泥棒を常習的に繰り返しているという場合には、このままでは実刑判決を受けてしまう可能性が高いといえます。

このような場合には、なおさら弁護士に早く依頼をして、刑を軽減するための弁護活動をしてもらう必要性が高いでしょう。

下着泥棒を行ってしまったことを理由とする逮捕の流れや、逮捕後の示談などについては、以下の記事も参照してください。

[参考記事]

下着泥棒で逮捕|示談すれば不起訴?慰謝料はいくら?

4.下着泥棒・窃盗のご相談も弁護士へ

下着泥棒を繰り返す人の心理は、通常、理解することが難しいでしょう。
しかし、もし身内や自分が下着泥棒の魅力に取りつかれてしまった場合、犯罪行為から足を洗うために正しく原因を分析して対処する必要があります。

また、もし下着泥棒で警察に逮捕されてしまったら、速やかに弁護士に相談の上、被害者との示談交渉を行いましょう。

対応が遅れれば、最悪の場合実刑判決を受けて、刑務所に入らなければならなくなってしまうことがあります。
自らの行為を十分に反省した上で、すぐに弁護士に相談して、更生への道を歩み始めましょう。

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