性犯罪 [公開日]2017年8月28日[更新日]2021年1月19日

強制性交等罪と準強制性交等罪の違い(強姦罪・準強姦罪)

強制性交等罪(旧罪名:強姦罪)・準強制性交等罪(旧罪名:準強姦罪)で逮捕された人又はその家族が理解しておきたいのは「強制性交等罪・準強制性交等罪とはどういう犯罪なのか?」ということです。

更に、
強制性交等罪と準強制性交等罪の違いは何か?
強制性交等罪/準強制性交等罪で逮捕された後はどうなるのか?
強制性交等罪/準強制性交等罪で起訴された後、保釈されることはあるのか?
強制性交等罪/準強制性交等罪で示談は可能なのか?
も知っておく必要があります。

これらを知っておかないと、逮捕されて以降どうなるか非常に不安になると思います。また、直ちに弁護士に依頼して示談交渉に着手しないと、起訴されて前科がついてしまう可能性があります。

ここでは、強制性交等罪(旧罪名:強姦罪)・準強制性交等罪(旧罪名:準強姦罪)について解説します。

1.強制性交等罪と準強制性交等罪とは?

(1) 強制性交等罪(旧:強姦罪)の構成要件

強制性交等罪は、13歳以上の者に対して暴行・脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をすること、13歳未満の者に対しては単に性交等をすることによって成立します(刑法177条)。

法定刑は、「5年以上の有期懲役」です。未遂も処罰対象です(刑法179条)。

従前は、被害者が女子に限定されていましたが、平成29年6月の改正(同年7月施行)により、男子も含まれるようになりました。そのため、加害者も被害者も性別を問わないことになりました。

13歳以上の者に対する性交等の行為の手段としての暴行・脅迫は、被害者の抵抗を抑圧するまでの必要はありませんが、著しく困難にする程度のものであることを要するとするのが、通説・判例です。

13歳未満の者は、性交等について十分な同意能力を有しませんから、同意の有無にかかわらず性交等の行為それ自体を処罰することにしたものです。相手が13歳未満であることの認識は必要です。

[参考記事]

強制性交等罪とは?刑法改正による変更点と逮捕後の流れ

(2) 準強制性交等罪(旧:準強姦罪)の構成要件

準強制性交等罪は、人の心神喪失・抗拒不能に乗じ、又は心神喪失・抗拒不能にさせて性交等をすることによって成立します(178条2項)。法定刑は、「5年以上の有期懲役」です。

「心神喪失」とは、精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいい、熟睡、酩酊・麻酔状態、高度の精神病等がこれに当たります。

また、「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的、物理的に抵抗することが不能又は著しく困難な状態をいい、恐怖・驚愕・錯誤等によって行動の自由を失っているなどがこれに当たります。

そして、「心神喪失・抗拒不能に乗じ」とは、被疑者がこの状況にあるのを利用することをいい、泥酔している人に対して性交等をすること、深夜に夫又は妻と誤信させて性交等をすることなどがこれに当たります。

また、「心神喪失・抗拒不能にさせ」る方法には、麻酔等の薬物投与、催眠術、欺罔などがあります。

(3) 強制性交等と準強制性交等の違い

犯行の態様から見て、性交等の行為の手段としての暴行・脅迫を用いる場合が強制性交等であり、心神喪失・抗拒不能の状態を利用する場合が準強制性交等といえます。これが両者の違いとなります。
ただし、13歳未満の者に対する強制性交等は、暴行・脅迫を性交等の行為の手段としません。

準強制性交等罪は、「準」とつくため、強制性交等罪より軽い印象を受けかねませんが、準強制性交等罪も、先に見たように強制性交等罪と同じ法定刑ですので、実際的にも、強制性交等罪と同様に重大な犯罪なわけです。

2.強制性交等罪・準強制性交等罪で逮捕後の流れ

(1) 逮捕・勾留

事件が発覚すると、被疑者は警察により逮捕されてしまう可能性があります。
その後、逮捕に引き続き身体を拘束するのが「勾留」です。

逮捕された被疑者の場合、逮捕後48時間以内に検察庁に身柄を送致されます。検察官は、身柄を受け取ってから24時間以内かつ逮捕から72時間以内に被疑者を釈放するか、裁判官に勾留請求をしなくてはなりません。

勾留請求を受けて裁判官は、被疑者に対して勾留質問を行って、その当否を審査しますが、強制性交等罪・準強制性交等罪を犯した疑いがあり、住居不定、罪証隠滅のおそれ又は逃亡のおそれのいずれかに該当する場合には、被疑者の勾留を認めます。

なお、勾留期間は原則10日間ですが、やむを得ない場合には更に10日以内の延長が認められることもあります。さらに、起訴された場合には、保釈が認められない限り身体の拘束が続くことになります。

(2) 逮捕・勾留中の被疑者と家族の面会

逮捕中は、弁護士以外の人が被疑者と面会することができません。

被疑者は警察署の留置場等に留置され、外部との連絡も自由にできなくなりますので、逮捕中の被疑者と連絡を取るためには弁護士に依頼するしか方法がないことになります。

他方で、逮捕後の勾留中は家族も面会できますが、一般的な例でいいますと、平日の日中の時間帯でかつ時間制限(15~20分程度)、回数制限(1日1回)、人数制限(1回の面会で3人まで)、警察官等の立会いといった条件があります。さらに、接見(面会のこと)禁止等の決定がなされますと、面会できるのは弁護士だけとなります。

→よくある質問「接見とは?

(3) 起訴・不起訴の判断

検察官は、勾留の期間が満了するまでに、被疑者を起訴するか否かの判断をし、起訴しない場合には釈放しなくてはなりません。

被疑者を起訴するか否かは、犯罪の重大性、犯行態様の悪質性、被疑者の前科や反省の有無、被害者との示談の成立の有無等が考慮されます。

起訴されて有罪判決が下されると、例えそれが罰金刑でも前科がついてしまいます。

【起訴された後、保釈されることはあるのか】
被告人やその家族は、起訴後には保釈請求ができます。しかし、法律に精通していない被告人やその家族の場合、具体的に理由付けて裁判官を説得するような保釈請求をすることは至難のことです。
弁護士は、保釈請求をした場合、法律上の要件を具体的に主張するとともに、裁判官に面談を求め、その面談を通じて保証金額の希望を伝えたり、望ましい制限住居、適切な身柄引受人の存在などを訴えたりして、保釈の判断を勝ち取ります。

3.示談は可能なのか

(1) 早期示談の重要性

被告人の処分結果に最も影響を与えるのが、被害者との示談です。
強制性交等罪・準強制性交等罪で逮捕された人に有利となる結果を導くには、いかに早期に示談を成立させることができるかにかかっているわけです。

しかし、示談となりますと、被害者の心情に配慮しなければなりませんので、かなり高度な交渉ごとになります。刑事弁護経験豊富な弁護士に委ねることが適切です。

現実に、この種の事犯でも示談が成立している事例は格別珍しいものではありません。

示談成立が早ければ早いほど、不起訴や早期の釈放など、被疑者・被告人に有利な処分結果が出ることが期待できます。

[参考記事]

刑事事件における示談の意義、タイミング、費用などを解説

(2) 示談金の相場

示談金の内実は、財産的損害の賠償と慰謝料であり、強制性交等罪の場合、致傷の結果を生じていない限りは前者の被害は少なく、多くを慰謝料が占めます。

慰謝料は文字通り心の傷を慰める金銭ですから、客観的な基準はありません。特に強制性交等罪では被害者の精神的な打撃の深刻さは、被害者によって様々です。

また、示談金の上限は加害者側の資力によって画されますから、必ずしも被害が深刻な事案の示談金が高額になるとは限りません。
したがって、強制性交等罪の示談金の相場はないとお考え下さい。

ただ、弁護経験からすると、格別に傷害の結果が生じていない事案では、100万円~300万円程度で合意してもらえる場合が多いと感じられます。

4.強制性交等罪・準強制性交等犯罪の弁護は泉総合法律事務所へ

以上のように、強制性交等・準強制性交等罪は大変重大な犯罪です。人の一生涯を左右する問題ですので、もし逮捕されてしまったならば、早めに泉総合法律事務所までご相談ください。

当弁護士法人では様々な刑事事件に取り組み、多くのケースで示談していただいておりますので、万が一事件を起こしてしまった場合にはご相談ください。

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