性犯罪 [公開日]2020年6月16日[更新日]2021年9月27日

「強制わいせつに強い弁護士」が示談交渉を行うメリット

性犯罪である「強制わいせつ事件」について、ニュースなどで目にしたことがある人も多いことでしょう。

では「強制わいせつ」とは具体的にどのような犯罪なのでしょうか。
また、もし強制わいせつで逮捕されてしまった場合、弁護士に法律相談、不起訴処分のための示談交渉を弁護士に依頼するメリットはあるのでしょうか。

1.強制わいせつ罪とは

まずは強制わいせつ罪の内容について解説します。
強制わいせつ罪については、刑法に規定があります。

刑法第176条(強制わいせつ)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

13歳以下の被害者にわいせつな行為をしたら、手段・方法の内容を問わず、強制わいせつ罪となります(相手の同意があっても強制わいせつ罪に問われます)。
被害者は女性に限られず、男性に対して行う強制わいせつもあり得ます。

13歳以上の被害者には、「暴行または脅迫を用いて」というところがポイントです。暴行または脅迫の事実がない限り、わいせつな行為を行っていても、強制わいせつ罪ではありません。

ただし、被害者の身体に触る行為は、それ自体が有形力の行使である暴行に該当すると理解されており、必ずしも殴る蹴るなどの行為が行われなくとも、強制わいせつ罪は成立します。

強制わいせつ罪が認められると、6月以上10年以下の懲役となります。罰金刑の設定はありません。

また、強制わいせつ罪は平成29年の刑法改正により「非親告罪」となったので、被害者の告訴は必ずしも必要ありません。

【どこまでが「わいせつな行為」か?】
強制わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、「被害者の性的感情を害し、被害者に恥ずかしいと思わせるような行為」といえるでしょう。
行為態様は様々ですが、例えば以下のような例は「わいせつな行為」に当てはまります。
・相手の身体に触れる(下着の中に手を入れて陰部を直接触る、など)
・嫌がっている相手に自身の性器を触らせる
・衣服を脱がせる
・裸の写真を撮る
なお、電車内等での痴漢行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反にも該当します。
【参考】痴漢の定義と種類|痴漢を事例ごとに徹底解説

2.強制わいせつ罪で逮捕後の流れ

強制わいせつに限らず、刑事事件で逮捕されたあとの流れは以下のとおりです。

  • 逮捕
  • 警察署等での取り調べ後、逮捕から48時間以内に身柄を検察官に送致
  • 検察官による取り調べ後、送致から24時間かつ逮捕から72時間以内に裁判所に対し勾留請求
  • 裁判官による勾留質問、勾留決定(最大、勾留請求の日から20日間)
  • 検察官によって起訴/不起訴が決まる
  • (起訴された場合)刑事裁判
  • 判決

逮捕後、勾留に切り替わるまでの最大約3日間は家族など弁護士以外の者には会えず、捜査機関から取り調べを受けます。勾留は原則10日間ですが、捜査の必要(証拠収集の未了や関係者事情聴取の未了など)であれば最大20日まで延びます。

勾留に切り替わったらなら、原則として家族など弁護士以外の者と面会(接見)できますが、時間などは厳しく制限され、警察官の立ち会いのもと、平日の日中、1日1組、15分間程度の面会となります。

その後起訴されるか不起訴となるかが決まります。

いずれにせよ逮捕後最大23日間、身柄が拘束されることになるため、その間勤務先や学校には行けません。

欠勤欠席の理由を説明できなければ、無断欠勤や無断欠席となり、解雇や退学など、事実上の大きな不利益を受けてしまう危険性があります。

3.強制わいせつの示談交渉を弁護士へ相談するメリット

前述のような不利益を回避するためにも、逮捕・勾留をされたら、まずは「早期釈放」を目指すことが大切です。

前述のとおり、強制わいせつ罪は、被害者による刑事告訴があることが起訴処分の条件である親告罪から、刑事告訴がなくとも起訴処分とできる被親告罪に変わりましたが、依然として被害者のプライバシーに慎重に配慮するよう運用されており、被害者の意向に反した起訴はなされないことが通常です。

そこで重要なのが示談です。

示談は、被害者に示談金(慰謝料)を支払う代わりに犯罪事実を許してもらうという合意です。

示談により被害者が処罰を希望しなくなれば、身柄拘束を継続する必要性は大きく失われ、勾留請求、勾留決定、勾留延長決定を阻止できることが期待できます。

また、万一、起訴されて有罪判決が出た場合、前科は付いてしまうものの、示談成立は良い情状として量刑に影響を与え、執行猶予付きの判決や、刑期が短くなるなど、処分が軽くなる可能性があるのです。

何にせよ、示談交渉をスタートしないことには始まりません。

では、弁護士費用を支払ってまで、示談交渉を弁護士に相談するメリットは何なのでしょうか?

(1) 示談交渉を任せられる

弁護士へ依頼した場合、被害者との示談交渉を全て弁護士が対応してくれます。

特に、強制わいせつ罪の被害者は、加害者とその家族など関係者に対して、強い恐怖心と嫌悪感を抱いていますから、これらの者に対して、捜査機関が連絡先を開示することはありませんし、仮に知れている連絡先に示談交渉を申し入れしても、拒絶されることがほとんどです。

また、知人であって接触可能であっても、弁護士以外の被疑者側の人間が接触する場合、証人威迫が疑われる可能性もありますので、その意味でもリスクが高いでしょう。

ですから、加害者やその家族が被害者本人と直接示談交渉するのは、まず不可能です。

特に、被害者が未成年の場合は、親が代理人となり交渉の席につくので、子供にわいせつな行為をするような人やその家族とは話すことはできないとして門前払いされてしまうでしょう。

しかし、強制わいせつ罪であっても、ほとんどの場合は「弁護士ならば話を聞いてみてもいい」という反応を受けます。唯一の刑事弁護人としての資格が認められた法律の専門家である弁護士への信頼は高いからです。

このように、強制わいせつ罪の事件では、弁護士を選任しなくては、示談交渉を開始することすらできないというのが、実情なのです。

(2) 早期の釈放に繋がる可能性がある

先述したように、逮捕・勾留は期間制限があるので、強制わいせつを含めた刑事事件全般はスケジュールがタイトに決まっています。示談交渉に時間がかかってしまっては、不起訴処分を勝ちとるタイムリミットはすぐに来てしまいます。

逮捕された段階ですぐに弁護士へ相談することで、迅速に示談交渉を進めることができます。

弁護士に示談交渉を任せることで、スムーズに示談が進行し、不起訴の判断が勾留満期前に早まることも珍しくありません。

(3) 法的に不備のない示談書の作成が可能

弁護士は法律の専門家ですから、法律的に不備のない示談書を作成することができます。これも大きな強みです。

示談書は、示談が成立したことを証明する重要な書類です。

口約束で済ませたり、示談書に不備があったりすると、被疑者に有利に考慮してもらうことができなくなったり、後から追加の慰謝料を請求されたりする可能性もあります。

不備なく行うには、弁護士に任せることが重要です。

4.強制わいせつで逮捕されたら、示談交渉は弁護士にご依頼を

犯罪を犯してしまい逮捕されたら、自身の行いを反省し、被害者に誠意をもって謝罪するとともに、不起訴を目指して示談交渉を行う必要があります。

しかし、強制わいせつの場合、加害者側が直接アプローチしていくのは無理があるでしょう。

そんなときは、弁護士に連絡しましょう。

捜査段階から示談交渉に着手できれば、早く示談がまとまります。そうすれば、逮捕・勾留を回避できたり、不起訴処分を獲得できたりします。

一方、示談交渉が間に合わずに起訴された場合、刑事裁判に向けたフォローが必要となってきます。

警察官に強制わいせつなどで逮捕されてしまったら、ご本人、ご家族の方は泉総合法律事務所の弁護士へご相談ください。全力で被疑者・被告人のために活動します。

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