性犯罪 [公開日]2020年7月13日

デリヘルに多いトラブル事例|逮捕される可能性は

デリヘルを利用して性的サービスを受けた際に、トラブルが発生する事例が増えています。

デリヘルは、風俗など店舗内でサービスを受けるよりも警備が緩いことから、従業員の女性に対して無理なお願いをしたり、暴行を加えたり、盗撮をしてしまったりするなどの問題が発生し易いのです。

今回は、デリヘルでよくあるトラブルと、そのトラブルを起こしてしまった場合の逮捕の可能性、すべき対処法についてご説明いたします。

1.デリヘルでトラブルが起きやすい理由

風俗などの性的サービスでトラブルが起きた場合、周囲にも相談できず問題が悪化してしまうことがあります。
風俗関連のトラブルでは、特に「デリヘル」でのトラブルが多く、女性やお店とトラブルになった後に弁護士に相談される方もいらっしゃいます。

デリヘルでトラブルが起きやすいのは、店外のサービスであることが理由として挙げられます。

お店の中でのサービスであれば、ある程度監視が行き届いているため、お客としてもルールを守って楽しもうと考えます。

しかし、デリバリーヘルスの場合は、店舗外でのサービスとなります。ラブホテルや自宅に従業員の女性を呼ぶことができ、ある程度自由度が高くなるため、羽目を外す方が多いといわれているのです。

「自分の家だと何をしてもバレない」という気の緩みや、「これまでの女性も何もいわなかったから次も大丈夫」という考えが、トラブルを引き起こしてしまうのです。

デリバリーヘルスであっても、規定やルールは存在し、それに反する行為をしてしまうことでトラブルに巻き込まれる事例が増加しているのです。

2.デリヘルで多いよくあるトラブル事例

デリヘルのサービスを受ける際、よくあるトラブルとしては、①盗撮、②暴行(性的暴行も含む)、③ストーカー被害が挙げられます。
どのようなトラブルがあるのが具体的な内容を見ていきましょう。

(1) 性的サービスを盗撮してしまう

デリヘルのトラブルで特に多いトラブルは、盗撮行為です。

店舗にてサービスを受ける場合、盗撮は禁止されチェックが入ることもあるでしょう。
しかし、自宅など自分のテリトリーに女性がやってくる場合には、盗撮機器を設置しやすく、「盗撮してしまおう」「どうせバレないだろう」という気持ちも起こりやすいという問題があります。

また、撮影した後に、サービスをした女性を脅し、個人的なサービスを強要するという事例もあるようです。

もちろん、自宅であれ勝手に性的サービスを撮影することは許されませんし、場合によっては警察に通報されてしまいます。

(2) 女性を殴る、性的暴行を加える

女性に無理なお願いをしてしまう方もいます。
そして、その特定の行為をお願いしたのに拒否されてしまい、暴行を働くなどのトラブルが発生するのです。

自分がお金を払っているという優位性を利用し、サービスを行う女性に対し酷い言動をしてしまう方もいます。

また、デリヘルでは本番行為を禁止していますが、女性や店の許可なく本番行為に及んでしまう方も多いようです。
これは後で詳しく説明しますが、強制性交等罪(旧強姦罪)が成立する立派な犯罪です。

(3) ストーカーになってしまう

デリヘルで来た女性を気に入った場合、通常はまたサービスをお願いするなどの行動をとりますが、人によっては業務外で女性を追いかけようとしてしまいます。

気に入った女性の帰りをつけて自宅までついていく、業務外の時間にデートに誘うなどのケースがあります。

相手が明確に拒否しているのにもかかわらず、何度もデートに誘ったり、お店を通さず恋人のようなサービスをお願いしたりするのは明らかなルール違反です。

気に入った女の子をつけ回すような行動に走ってしまうと、ストーカーとして厳しい目が向けられ、警察に連絡されてしまうだけではなく、お店から罰金を請求されることもあります。

3.デリヘルトラブルで逮捕される可能性

次に、デリヘルを利用してルール違反があった場合に逮捕される可能性についてご説明します。
上記でご紹介したよくあるトラブル事例に適用される刑事罰、損害賠償請求を見ていきましょう。

(1) 適用される可能性のある刑事罰

まず、①盗撮行為、②暴行(性的暴行を含む)、③ストーカー行為に関して、適用される可能性のある刑事罰を見ていきましょう。

①盗撮行為

盗撮行為では各都道府県の迷惑防止条例違反で逮捕される可能性があります。
東京都を例に挙げると、東京都迷惑防止条例5条1項第2号にて盗撮行為が禁止されています。

立件された場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、常習の場合には2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課される可能性があるでしょう(同法8条2項、7項)。

盗撮の逮捕は駅や公衆トイレなどで撮影した場合に行われるとイメージされている方もいますが、自宅やラブホテルなどでも「通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」を撮影したとして、処罰される可能性があることを理解しておいてください。

②暴行(性的暴行を含む)

従業員の女性に殴る蹴るの暴行を加えた場合には暴行罪、病院で治療が必要なほどの怪我を負わせた場合には傷害罪が成立する可能性があります。

暴行罪(刑法208条)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

傷害罪(刑法204条)
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

また、相手に拒否されたのにもかかわらず、暴力を伴って本番行為を行った場合は、強制性交等罪(刑法177条)として5年以下の有期懲役に処される可能性があります。

相手が傷を負った場合には、強制性交等致傷罪として「無期又は三年以上の懲役」として刑罰が重くなります。

③ストーカー行為

ストーカー行為は、ストーカー規制法で禁止されています。

つきまとい行為等を行った婆には、「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」に処される可能性があり、禁止命令等に違反した場合には、「二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金」と罪が重くなります。

[参考記事]

ストーカー規制法改正の解説!つきまとい行為で警告・逮捕に

(2) 損害賠償請求を受ける可能性も

デリヘルの利用で上記のようなトラブルを起こした場合には、逮捕の可能性があるだけではなく、お店や女性側から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

通常、お店でのトラブルの場合は、現金で支払った場合には個人情報等が漏れることもありませんが、自宅などで性的サービスを利用した場合には居所などもはっきりとしているため、相手方も請求しやすい状況にあります。

相手の意思に反して本番行為等を行った場合には、女性から精神的苦痛を受けたことに対する損害賠償請求、お店を介さず性的サービスを利用した場合にはお店から規約違反に基づく損害賠償請求などを受ける可能性があるでしょう。

周囲にバレたくない一心から、相場と比べてかなり高額な金額でも言い値で支払ってしまう方がいますが、双方納得の上できちんと示談をしないと再度金銭を要求されるトラブルが発生してしまうこともありますので、注意が必要です。

4.デリヘルトラブルの解決|弁護士による示談が有効

デリヘルでのトラブルを個人同士で解決しようとする方もいますが、できれば弁護士を挟んだ上で解決すべきです。

なぜなら、逮捕・勾留されてしまった場合にはそもそもご自身で示談交渉をすることはできませんし、相手との直接交渉では、法外な示談金を要求されることや、二次的なトラブルが発生する危険もあるためです。

これまでの解決事例では、以下のようなトラブルがありました。

【相談内容】
ラブホテルでデリヘルを利用する際、ホテルの受付付近デリヘル嬢に暴行してしまい警察に通報されてしまった。暴行事件として扱われたため、真摯に反省し、相手女性との示談を望んでいる。

【解決の内容】
まず弁護士が被害者との示談交渉を行おうと検察庁に被害者の情報開示をお願いしました。しかし、検察官からも被害者との連絡が取れないとのことで示談交渉が進みませんでした。
捜査機関としては、被害者にも事情を詳しく聞いた上で起訴・不起訴を判断したかったができないため、嫌疑不十分として不起訴となったのです。

この事例では、たまたま連絡が取れず不起訴となりましたが、相手が示談を望まない場合や処罰感情が強い場合には起訴されてしまう可能性が残ります。
今回の事例でも連絡を取る努力をしなかった場合や暴行内容が酷い場合には、起訴される可能性もあったでしょう。

相手とは連絡が取れない、もしくは交渉を拒絶されてしまう可能性も十分にありますので、専門家である弁護士を通すべきです。そして事後トラブルを防ぐためにも、きちんとした示談成立を目指すのが理想です。

[解決事例]

酔っぱらってホテルでデリヘル嬢に暴行→不起訴処分

このように、刑事事件となった場合には弁護士による示談交渉が必要です。将来的なトラブルを防ぐためにも重要ですので、逮捕されそうな場合や損害賠償請求を受けた場合にはすぐに相談するようにしてください。

5.デリヘル利用でのトラブルは弁護士にご相談を

性的サービスなどでトラブルとなった場合は、周囲に相談しにくく、トラブルがなかなか解決しないケースが多々あります。

警察から連絡があった、お店や女性側から損害賠償請求を受けた場合はその時点で、弁護経験豊富な泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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