刑事弁護 [公開日]2017年9月13日[更新日]2021年2月25日

「送検」とはどういう意味?|身柄送検、書類送検

「書類送検された」「身柄送検された」という言葉はよくニュースで聞きます。

これらは一体どのような措置なのでしょうか?また、送検をされた後、その後の刑事手続きの流れはどうなるのでしょうか?

この記事では、まず送検(身柄送検、書類送検)について確認した上で、身柄送検あるいは書類送検された後の流れについて解説します。

1.送検とは?

送検とは、一般的に、警察が捜査した事件を検察官に送ることをいうとされています。
「送検」はいわゆるマスコミ用語で、刑事訴訟法では「検察官送致」といいます。

警察官は事件を捜査したときには、原則として事件を検察官に送致する必要があります。
送致を受けた検察官は、必要な補充捜査があればそれを行った上で起訴・不起訴の処分を決めます。

刑事訴訟法246条本文
「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。 」

送検と呼ばれるものには、身柄送検と書類送検の2種類があります(いずれもマスコミ用語です)。

身柄送検とは、逮捕した被疑者を関係書類・証拠物と共に検察官に送ることをいいます。
書類送検とは、一般的に、被疑者を逮捕しない(逮捕後に釈放した場合も含みます)で、関係書類・証拠物のみを検察官に送ることをいいます。

関係書類とは、被疑者や被害者の供述調書や傷害事件の被害者の診断書、詐欺事件の振込明細書、警察官が作成した捜査報告書などです。

証拠物とは、薬物事件の薬物、殺人事件の凶器のように、書類以外の証拠です。

両者の違いは、被疑者の身柄を拘束(逮捕)しているか否かといった点です。
被疑者が証拠隠滅や逃亡をするおそれがあると認められる場合や、凶悪犯罪の場合には逮捕される可能性が高いでしょう。

なお、書類送検とその際に付される警察の処分に関する意見(送致書)については、以下のコラムで詳しく解説しています。

[参考記事]

「厳重処分(処分意見)を付けて書類送検」とは?

2.送検されたらどうなるのか?

先述の通り、警察が捜査をしたときには、事件は原則として全て送検されます(全件送致の原則)。
よって、捜査があれば例え明らかに無罪の事件でも送検されるため、送検自体に大きく身構える必要はありません。

とはいえ、「書類送検(身柄送検)される」と言われれば、一般の方は身構えてしまうものでしょう。

送検をされたら、その後の流れは具体的にどうなるのでしょうか?

(1) 身柄送検された場合

先述の通り、警察は被疑者に逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがある場合には逮捕を行います。そして、逮捕から48時間以内に被疑者の身柄を検察官に送致します。

検察官は、被疑者を受け取ってから24時間以内(かつ逮捕から72時間以内)に、裁判官に対し、より長期の身体拘束を求める「勾留」の請求をするか否かを判断します。

裁判官による勾留質問を経た後、勾留質問の結果と検察官から提出された証拠資料に基づき、裁判官が勾留請求を認めますと、被疑者は10日間勾留されます。
更に勾留が延長されれば、当初の勾留から起算して最長20日間身体を拘束されることになるでしょう。

その間、検察官による被疑者の取り調べが留置場や検察庁で行われます。

また、取り調べ以外にも、被疑者の自宅や勤務先における証拠品探しや押収(いわゆる家宅捜索)、事件現場における実況見分、被疑者以外の事件関係者に対する取り調べなどといった捜査が行われます。

勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を起訴処分にするか不起訴処分にするか否かを判断します。

[参考記事]

逮捕から起訴・不起訴の決定までの流れ

(2) 書類送検された場合

書類・証拠物のみで送致された事件についても、検察官がすべきこと(捜査や起訴・不起訴の判断)は身柄送検の場合と同じです。

ただ、書類送検の場合、法律上は身柄送検の場合と異なり期間の制限がありませんので、どの程度の期間がかかるかは事件の内容によるとしか言えません。数ヶ月で済む場合もあれば、捜査機関の事情により何年も放っておかれる場合もあります。

なお、書類送検だからといって実刑とはならない、実刑の確率が低いということにはなりません。
被疑者の取り調べや捜査一般の実施は、身柄送検の場合と基本的に同じといえます。

[参考記事]

在宅事件とは?起訴・前科がつくことはあるのか

3.刑事事件を起こしてしまったら弁護士に相談すべき理由

刑事事件を起こした場合、書類送検になろうと身柄送検になろうと、早い段階で弁護士に相談するべきです。

逮捕され身柄送検になると留置場に拘束されるため、職場や学校など社会生活に大きな影響を及ぼします。
起訴され有罪となったら、罰金刑でも前科となってしまいます(もっとも、送検のみですぐに前科となるわけではありません)。

[参考記事]

書類送検された場合に前科はつくのか?

前科を避け、事件をいち早く終息させるためにも、検挙されたらすぐにでも弁護士に依頼をするべきです。

例えば、逮捕されてすぐに弁護士を選任した場合には、弁護士が上申書などを作成して検察官に提出するなどして交渉することで、検察官の勾留請求を控えてもらうよう働きかけます。検察官が裁判官に勾留請求したら、弁護士は裁判官と交渉して勾留決定を阻止するよう活動します。

もし検察官が勾留請求をし、裁判官の勾留決定が出た場合には、裁判所に勾留決定取り消しを求める裁判(準抗告)を申し立てます。準抗告が認容されると、勾留決定が取り消されて釈放されます。泉総合法律事務所では3週間連続して準抗告認容、勾留決定取消の成果をあげています。

これに並行して、弁護士は被害者との示談交渉も行います。

示談成立の事実は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際に被疑者に有利に働きます。起訴された場合でも裁判において有利な事情として斟酌され、刑期や罰金額の軽減、執行猶予付き判決が期待できます。
さらに、早い段階で示談を成立させることができれば、勾留段階で被疑者を身体拘束から早期に解放できる可能性があります。

[参考記事]

刑事事件における示談の意義、タイミング、費用などを解説

被害者との示談や身体の釈放を迅速かつ適切に行うには、法律の専門家である弁護士に頼るのが最善です。
刑事事件を起こしてしまったらすぐに刑事弁護経験豊富な弁護士に相談しましょう。

4.刑事事件は弁護士へ相談を

罪を犯して送検されてしまった方は、非常に不安な時間を送ることになるでしょう。

例え逮捕されない書類送検であっても、放っておくと起訴されて前科がついてしまう可能性が高いです。必ず刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

泉総合法律事務所は、多数の刑事事件に取り組み解決へ導いております。一日でも早く事件の解決をご希望の方は、是非とも当所に刑事弁護をご依頼ください。

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