性犯罪 [公開日]2018年2月28日[更新日]2021年1月28日

リベンジポルノで逮捕されたら弁護士へ相談を

昨今、「リベンジポルノ」という言葉を耳にすることが増えています。

「リベンジポルノ」とは、元配偶者や元交際相手が、相手から振られてしまったことの仕返しに、相手の裸や性行為中の写真や動画など性的な画像を無断でネットの掲示板やTwitterなどのSNSに公開したり、相手に対する脅迫に用いたりする行為を言います。

ここでは、リベンジポルノを行うとどのような犯罪に当たるのか、逮捕されたらどうなるのか、どうすれば良いのかについて解説をします。

1.リベンジポルノの関連法律

相手の性的な画像をネットの掲示板にアップロードするなどして公開した場合には、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(通称「リベンジポルノ防止法」)に違反し、私事性的画像記録公表罪として3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(同法3条1項、2項)(同法は平成26年12月から施行されました)。

規制の対象となる画像は「私事性的画像」と言い、次のとおり定められています。

①性交・性交類似行為(口淫、肛門性交)の姿
②他人の性器・肛門・乳首を触る姿で、性欲を興奮・刺激するもの
③衣服の全部・一部を着けない姿で、ことさらに性器・肛門・乳首、その周辺部、臀部、胸部が露出・強調され、性欲を興奮・刺激するもの

また、被害者が18歳未満の場合には、このような画像は児童ポルノに該当するので、これを所持しアップロードする行為は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(通称「児童ポルノ禁止法」)に違反し、児童ポルノ単純所持罪、児童ポルノ公然提供罪として、前者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、後者は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処せられます(同法7条1項、6項)。

[参考記事]

児童ポルノ禁止法とは?児童買春の規制も弁護士がわかりやすく解説

上記のような犯罪に加えて、「裸の写真をばらまかれたくなければ復縁しろ」、「さらに性的な画像を送れ」など、性的な画像を所持していることにより相手を脅す目的に使用されてしまうケースも散見されます。
このような場合には、強要罪や脅迫罪になる可能性があります。強要罪は3年以下の懲役刑(刑法223条)、脅迫罪は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます(同222条)。

また、「写真をばらまかれたくなければ金銭をよこせ」と、被害者を脅して財物を交付させた場合には、恐喝罪として10年以下の懲役刑に処せられます(刑法249条)。

[参考記事]

脅迫罪と恐喝罪。要件、刑罰の違い、逮捕されてからの弁護を解説!

2.リベンジポルノで逮捕後の弁護活動

リベンジポルノ事件では、とりわけ被害者と示談を成立させることが重要です。

何故なら、リベンジポルノ防止法の私事性的画像記録公表罪は親告罪であり、被害者の告訴がなければ検察官は起訴できないからです(同法3条4項)。

したがって、被害者との示談を成立させ、示談金の支払と引き換えに、告訴しない旨の合意をするか、既になされた告訴を取り下げてもらえば、起訴されることなく前科もつきません。

他方、被害者が18歳未満の児童の場合、児童ポルノ禁止法違反は、告訴がなくても起訴できる非親告罪ですので、示談の成立により、告訴がなくなっても、起訴できなくなるわけではありません。

しかし、示談により被害者が処罰を希望しない旨を示談書に記載してくれれば、被疑者に有利な事情として考慮されますので、不起訴となる可能性を高めることができます。尚、未成年の場合は、示談は保護者である両親との間で行うことになります。

また、仮に児童ポルノ禁止法違反で起訴されてしまったとしても、示談の成立は罰金刑など量刑のうえでも被告人に有利に考慮されますから、示談をすることは決して無駄にはなりません。

[参考記事]

刑事事件における示談の意義、タイミング、費用などを解説

なお、リベンジポルノに限らず、性的犯罪の被害者側は、被疑者が今後もストーカー的に被害者に接触しようとするのではないかという危惧を有しています。

このため示談の条件として、例えば被疑者と被害者が同じ学校や勤務先であれば転校や退職をすること、住居が近ければ遠方への引越し、利用する交通機関が同じであれば、その交通機関の今後の利用をやめるなど、様々な要求を受けることがあります。

スムーズに示談を成立させるには、可能な限り被害者側の希望を受け入れることを基本とするべきです。

(3) 少年事件の場合

リベンジポルノは、未成年の少年が犯してしまうこともあります。

成年の被疑者に対する刑事手続は、起訴して裁判にかけて処罰することを目的としますが、未成年者に対する少年法の手続は未成年者の保護育成を目的とした、まったく別個の手続です。

そこで、親告罪であっても、犯罪を犯した未成年者の健全な育成の観点から、家庭裁判所へ送致し、通常の少年審判手続が進みます。

したがって、少年事件では被害者と示談ができ、告訴されなくなっても、手続を止めることはできないことに注意してください。

ただ、家庭裁判所が少年を鑑別所に収容するか否かを決める監護措置決定や、少年院送致や保護観察など、最終的な保護処分を決める審判にあたって、被害者と示談が成立している事実は判断材料のひとつとなります。

もっとも、少年事件の場合は、示談による被害の回復という点よりも、弁護士に依頼したにせよ、示談に向けて努力し、きちんと示談を済ませた保護者がいるという家庭環境こそが重視されます。

いずれにしても、少年事件でも示談が重要であることは変わりありません。

泉総合法律事務所が依頼を受けた実際の事例の中にも、少年が逮捕にとどまらず勾留されたものの、早期に弁護士が示談交渉を開始したため、勾留期間中に示談がまとまり、少年自身の反省が深かったことも評価され、その後に送致された家庭裁判所において監護措置決定を受けることなく、鑑別所には行かずに釈放してもらえた事例があります。

参考:少年事件解決の流れと弁護士依頼の重要性

3.性犯罪の弁護依頼は泉総合法律事務所へ

泉総合法律事務所では、少年事件も含め様々な性犯罪・刑事事件に取り組んでおります。

刑事弁護の経験豊富な弁護士が多数在籍し、弁護活動に取り組んでおりますので、刑事事件で逮捕されてしまったらどうぞお早めに泉総合法律事務所にご相談・ご依頼ください。

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