盗撮 [公開日]2017年7月20日[更新日]2024年8月14日

盗撮で検挙・逮捕されたら?

盗撮の弁護は弁護士にお任せください!

はじめに

泉総合法律事務所は多数の刑事弁護に取り組んでおりますが、その中でも盗撮(迷惑行為防止条例違反)には特に多く取り組んでおります。

ここでは、盗撮を犯した方が謙虚・逮捕されるケース、また、逮捕されなかった場合も含めてその後どうなるのかについて、刑事弁護の対応と流れとともにご説明します。

盗撮で逮捕されるのか?

盗撮で警察に逮捕される可能性は少ない

盗撮は、性犯罪の中ではもっとも軽微な犯罪です。通常、盗撮で検挙されても逮捕まで至ることは少なく、すぐに釈放されて在宅で捜査が進むことが多いです。

盗撮で逮捕されるのは、明らかな証拠があるのに(スマホなどに盗撮画像が残っているのに)盗撮行為を否認している場合、同一場所で常習的に盗撮を繰り返しており鉄道警察隊や警察官にマークされていた場合、同一女性に対してストーカー的に盗撮を繰り返している場合、盗撮が判明しないように偽装している場合などです。
悪質性が高く、逮捕しなければ犯行を繰り返したり逃亡をしたりする可能性があると判断されれば、盗撮事案でも逮捕される可能性はあります。

つまり、通常の盗撮でも警察の判断如何では逮捕されることがありますので、安易に考えてはいけません。
逮捕された場合には早急な弁護活動が重要となりますので、刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所にご依頼ください。

逮捕と検挙の違い

「逮捕」は、取り調べや捜査のために被疑者を短期間身柄拘束することです。逮捕までする必要がないと警察に判断されれば、在宅で普段と変わらない日常生活を送りながら、必要な時に出頭して捜査機関の取り調べに応じることになります。

一方の「検挙」は、警察などの捜査機関が被疑者が誰であるかを特定し、刑事事件の処理をすること全般を指します。逮捕をされても、逆に逮捕されず在宅事件となっても、それは警察に盗撮を「検挙された」ということになります。

つまり、逮捕は検挙の後に続く処理の一種と考えることができます。

盗撮で逮捕された場合の刑事弁護の流れ

逮捕・勾留の回避

逮捕されたら、最大2日間警察署に留置された後、検察庁に送検されて検察官が被疑者を取り調べます。検察官は、逮捕から72時間以内に、その後10日間の勾留請求をするかどうか判断します。

勾留請求を受けた裁判官が「勾留が必要である」と判断すれば、被疑者は逮捕に続き長期間の身体拘束を受け(勾留)、その期間は延長も含めれば最大20日(逮捕からは23日)に及びます。

泉総合法律事務所に刑事弁護をご依頼いただいた場合、早急に逮捕された警察署に接見に出向き、被疑者から事情をお聞きします。また、家族の方に事務所に来所いただき身元引受書や上申書(警察官に対して意見や報告をする書類)、弁護人意見書を作成します。
これらを警察官・検察官に事前に提出することで、釈放を促したり、勾留請求をしないように働きかけたりすることが可能です。

盗撮では、このような刑事弁護活動で多くの場合は勾留請求されず釈放となります。

もっとも、検察官が盗撮の犯行態様が悪質と判断した場合には、裁判所に勾留請求することもあります。
裁判官が検察官の勾留請求を受けると、同日ないし翌日には被疑者に勾留質問を行い、勾留するかどうか決定します。

示談交渉

身元引受書、上申書、弁護人意見書の提出だけでは、必ず起訴を免れるとは言えません。
泉総合法律事務所の弁護士が盗撮の刑事弁護の依頼を受けますと、検察官を通して盗撮の被害者の連絡先を聞き(ほとんどの場合連絡先を教えていただけます)、被害者と示談交渉をします。

示談交渉は、まずは被疑者からのお詫びを弁護士が代わってお伝えし、また、被疑者が書いた謝罪の手紙を渡すことから始まります。
被疑者の反省・謝罪をご理解いただければ、慰謝料と被害弁償の性質を兼ねた示談金額を提示・ご検討していただきます。

最終的に被害者の方が被疑者を許し示談金についてご納得いただければ、示談書の締結と示談金のお支払いとなります。

示談書には示談書を検察官に提出する都合から被害者の氏名、住所を明記いただきますが、被疑者や関係者には教えることは決してありません。
(※被害者の情報はマジックで消して決して見られない状態にした上で、示談書のコピーを被疑者ら関係者にお渡しすることにしております。)

なお、検察官や警察官が被疑者本人に被害者の連絡先を教えることは絶対にありませんので、被害者との示談交渉は弁護士に依頼をしなければ開始することすら不可能と言えるでしょう。

示談交渉はどの弁護士でも良いわけではなく、被害者の感情をくみ取りながら適正な金額(当所では過去の経験と場数を踏んだ複数の弁護士で協議しております)で示談をしていただく必要があると当所では考えております。
よって、十分経験を積んだ刑事弁護に精通した弁護士に刑事弁護を依頼することをおすすめします。

【被害者が未成年の場合の示談交渉】
被害者が未成年の場合には、示談交渉の当事者は代理人であるご両親となるため、被害感情が強く、示談のハードルは高くなります。例えば、ご両親のうち母親からお許しをいただいても、父親からのお許しはいただけないこともあるのです。ご両親双方のご納得が必要という点もハードルの高さの一因となっています。
しかし、当所ではそのような場合でも誠意を尽くして粘り強く交渉することで、多数示談していただいております。

示談書を検察官に提出

示談書を検察官に提出するまですれば、初犯の盗撮であれば通常不起訴になり、前科はつきません
しかし、盗撮の検挙が2回目、3回目になると、例え示談が成立していても「反省をしていない」「また繰り返す可能性がある」と思われ、罰金刑になることがありえます。

泉総合法律事務所は、盗撮・痴漢など、不起訴のために示談が不可欠な刑事事件の弁護に多数取り組んでおり、どの弁護士も経験豊富ですので、ご安心して刑事弁護をご依頼ください。

[参考記事]

迷惑防止条例違反の盗撮事件における示談方法と示談金の相場

悪質な盗撮(常習的盗撮/再犯など)の弁護活動

犯行容態が悪質な盗撮である場合は、裁判官に勾留請求をされる可能性や、示談交渉が難航する可能性が高くなります。

泉総合法律事務所は、これまでの経験から「勾留請求となる可能性がある」と思われる事案では、当初から勾留請求される可能性を念頭に置いて、検察官の勾留請求を審理する裁判官向けの書類を作成しており、迅速に対応する体制をとっております。
裁判官に事前に作成した意見書などを提出して働きかけることで、勾留決定されず釈放となる可能性が高くなるのです。

実際、常習的盗撮で同種の罰金前科があり、裁判官の勾留質問当日(午前中)に家族が当所に刑事弁護を依頼された事案で、裁判官の勾留決定も十分予想される中、当所の弁護士は直ちに勾留質問が行われる裁判所に出向きました。
裁判官の勾留質問前に被疑者本人に接見して事実関係を確認し、その後、裁判官との面接を行うとともに意見書・身元引受書を提出することで裁判官の勾留決定を阻止し、その日の午後に無事釈放となったことがあります。

[参考記事]

盗撮再犯で逮捕された!常習の再発防止策と不起訴のための弁護活動

実は、多数盗撮の弁護経験がある泉総合法律事務所では、盗撮で10日間の勾留決定となったケースは今まで一度もありません。

ただし、否認の場合には裁判官の勾留決定がされる可能性は十分にあります。
仮に勾留決定された場合には、泉総合法律事務所では勾留決定取消を求めて準抗告をすることにしております。

[参考記事]

勾留請求・準抗告とは?釈放を目指すなら泉総合法律事務所へ!

盗撮で在宅事件になった場合の流れ

逮捕されない(検挙されたものの在宅事件になる)場合には、盗撮が発覚して駅員室経由などで警察に連行された後、警察で盗撮を認める上申書を作成すれば釈放(解放)されますので、家族に身元引受人として迎えに来てもらいます。

同居家族がいない場合や家族との連絡が取れない場合には、警察が職場に連絡して上司が身元引受人として警察署に迎えに来るよう要求することが稀にあります。よって、会社に盗撮の事実がバレないようにするには、被疑者の方は「会社には絶対に連絡しないでください」と強く主張してください。

上申書作成後、後日改めて警察から呼び出され供述調書という正式書類を作成しますが、これで警察での捜査、取り調べは終了します。
その後、検察庁に書類送検されるでしょう。

このように、在宅でも盗撮の検挙はされていることになりますので、犯した罪を甘く見てはいけません。弁護士に刑事弁護を依頼しなければ、検察官から呼び出しを受けて罰金刑にする意向を告げられることになります。罰金刑でも有罪であるため前科がつきます。

例え逮捕されなくても、盗撮で検挙されたら刑事弁護経験が豊富な弁護士に相談をするようにしましょう。

盗撮に関する条例

東京都

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

罰則

第八条
2項 一年以下の懲役又は百万円以下の罰金
7項  常習:二年以下の懲役又は百万円以下の罰金

埼玉県

埼玉県迷惑行為防止条例

第二条の二 何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 次に掲げる場所又は乗物にいる人の通常衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)で覆われている下着又は身体を写真機、ビデオカメラその他の機器(衣服等を透かして見ることができるものを含む。以下この号において「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。
イ 住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所又は公共の乗物(イに該当するものを除く。)
ハ 学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イ又はロに該当するものを除く。)
二 前号イからハまでに掲げる場所又は乗物にいる人の通常衣服等で覆われている下着又は身体をのぞき見し、又は衣服等を透かして見ることができる機器を用いて見ること。

罰則

第十二条
1項 一年以下の懲役又は百万円以下の罰金
3項 常習:二年以下の懲役又は百万円以下の罰金

千葉県

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

第3条2項 何人も、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号に掲げるものをしてはならない。一 次のいずれかに掲げる場所又は乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器(衣服を透かした状態を撮影することができるものを含む。以下「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置すること。イ  浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所及び住居
ロ  公共の場所(イの場所を除く。)又は公共の乗物
ハ  学校、事務所その他の不特定若しくは多数の者が利用し、若しくは出入りすることができる場所(イ及びロの場所を除く。)又はタクシーその他の不特定若しくは多数の者が利用することができる乗物(ロの乗物を除く。)

罰則

第13条
1項 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
2項 常習:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

神奈川県

神奈川県迷惑行為防止条例

第3条 何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(2) 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。

罰則

第15条1項 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
第16条 常習:2年以下の懲役又は100万円以 下の罰金

盗撮の刑事罰に関して(2024年8月現在)

東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県とも盗撮の規制の条例文言は違いがありますが、盗撮の定義、要件、刑罰には実質的には違いがありません。
罰則については、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のいずれもが1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、常習の場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっており、これは令和に入ってから厳罰化されている傾向があります。

刑事弁護の依頼を受けた弁護士が被害者と示談交渉を行い示談が成立すれば、初犯であれば不起訴となるケースがほとんどです。
再犯、再再犯だと不起訴とならず罰金となる可能性がありますが、犯行態様や前科の内容程度、示談内容(示談金)などに左右されてきます。

特に再犯以上の方は、盗撮の刑事弁護経験豊富な弁護士にご相談することをお勧めします。

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