財産事件 [公開日]2018年8月31日[更新日]2020年4月6日

万引きで逮捕後の流れと弁護士に依頼するメリット

万引きすると、いつかは見つかって逮捕・起訴される可能性が高いです。

それでは、万引きで逮捕された後の具体的な流れは、どのようなものでしょうか?

今回はそのあたりを中心に解説しつつ、万引き事件を弁護士に依頼するメリットを、弁護士が解説していきます。

1.万引きで逮捕された後の流れ

万引きは「窃盗罪(刑法235条)」に該当する犯罪です。

万引で逮捕されるパターンとしては、店の店員や店主・客や警備員などに見つかって取り押さえられる(現行犯逮捕)場合や、監視カメラなどから警察が捜査を進めて逮捕(通常逮捕)される場合が考えられます。

(1) 送検される

警察に逮捕されると、その後48時間以内に検察官のもとに身柄を送られます。

ただし、被疑者が初犯、反省している、被害額が微小等の場合は、「微罪処分」として釈放される可能性があります。微罪処分になったら、それ以上、万引について追及されません。

(2) 勾留される

万引で逮捕後、検察官の元に送られると、検察官は、引き続いて被疑者の身柄を拘束するかどうか決定します。引き続き身柄拘束が必要な場合には、裁判所に勾留請求をします。

裁判所が勾留を認めると、被疑者の身柄は引き続き警察の留置場で拘束されます。

逮捕後から勾留までの3日間は、家族であっても本人に面会できません。もっとも、逮捕から勾留に切り替わると、家族が警察の留置場で被疑者に面会できるようになります。

このように、逮捕後勾留される事件のことを、身柄事件と言います。

検察官が勾留の必要性がないと判断した場合や、裁判所が勾留決定をしない場合には、被疑者の身柄は釈放されます。ただし、刑事手続が終了するのではなく、被疑者在宅のまま引き続いて捜査が行われます。

このように被疑者在宅で捜査が続けられる事件のことを、在宅事件と言います。

(3) 起訴不起訴の処分が決まる

身柄事件で勾留期間が満期になったときや、在宅捜査が終了したときには、検察官は被疑者を起訴するか不起訴にするのかを決定します。

起訴されると、刑事裁判が始まります。刑事裁判で有罪判決が出されると、罰金刑や懲役刑が言い渡されます。窃盗罪を犯した者は10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。懲役刑で執行猶予がついたらすぐには刑務所に行かずに済みますが、執行猶予がつかなかったら刑務所に行く必要があります。

他方、不起訴になると、その刑事事件は終了します。裁判にはなりませんし、身柄事件の場合には被疑者の身柄が釈放されます。

2.万引きで逮捕された際の量刑の相場

万引きで逮捕されると、具体的にどのくらいの刑罰を適用される可能性が高いのでしょうか?
量刑の相場をみてみましょう。

(1) 罰金刑になるケース

窃盗罪には罰金刑と懲役刑がありますが、罰金刑の方が軽い罪です。

万引きの場合では、以下のように情状が良い場合に罰金刑となる可能性が高いです。

  • 初犯
    初めて逮捕された場合です。
  • 被害額が小さい
    たとえば、被害物品の価格が数百円程度の少額の場合です。
  • 被害弁償している
    被害物品をそのまま返している場合や、被害品の時価を支払った場合です。
  • 被告人が反省している
    被告人が反省しており、再犯の可能性が低いと判断された場合です。

(2) 懲役刑になるケース

万引きで懲役刑になるのは、罰金刑のケースより情状が悪い場合です。

具体的には以下のようなケースだと懲役刑になりやすいです。場合によっては、実刑判決(執行猶予がつかないこと)が出される可能性もあります。

  • 余罪あり
    逮捕が1回目でも、余罪があったら懲役刑が選択される可能性が高まります。
  • 前科あり
    前科があると、被害額が僅少でも懲役刑になる可能性が高いです。
  • 被害額が大きい
    たとえば被害額が数万円程度になってくると、懲役刑を選択される可能性が高まります。
  • 被害弁償できていない
    被害弁償ができていないと、被告人の情状が悪いので、懲役刑が選択される可能性が高くなります。
  • 再犯のおそれが高い
    反省していない、定職に就いていない、同居家族がいないなど、再犯のおそれが高いと考えられる場合、懲役刑が選択されやすいです。

(3) 不起訴になるケース

万引きによる窃盗罪では「不起訴」処分となるケースも多いです。不起訴処分は、検察官が被疑者を刑事裁判にかけない決定をすることです。

不起訴処分になったら、そもそも刑事裁判にならないので、罰金刑も懲役刑も適用されません。もちろん刑務所に行く必要はありませんし、一切前科がつかないので、被疑者にとっては大きなメリットがあります。

万引きで不起訴になりやすいのは、以下のようなケースです。

  • 初犯
  • 被害額が小さい
  • 反省している
  • 余罪がない
  • 被害弁償している
  • 被害者が宥恕(ゆうじょ)している
    被害者と示談しているだけではなく、被害者が被疑者を許しており、寛大な処分を望んでいる場合(=宥恕するという)などには不起訴になりやすいです。
  • 再犯のおそれが低い
    家族がいて仕事をしていて、普段は真面目に生活している人などの場合、不起訴にしてもらいやすいです。

3.なるべく早く釈放してもらう方法

万引きの被疑者がまず目指すべきは、不起訴処分です。不起訴処分になると、その場で身柄を釈放されて、その後同じ罪で逮捕される可能性はほとんどなくなるからです。

以下では、万引きで不起訴処分を勝ち取る方法を説明します。

(1) 被害者と示談を進める

被害者との示談を進めることが、まず何よりも重要です。万引きでは、被害者との示談が成立すると、情状が良くなって処分が軽くなる可能性が高いからです。
起訴前に示談を成立させられたら、不起訴の可能性がかなり濃厚になります。

また、被害者から「嘆願書」を書いてもらえたら、なお有利です。嘆願書とは、被害者や加害者の周囲の人が、加害者への寛大な処分を求めることをお願いする書面のことを言います。

万引きによって被害を受けた本人が、被疑者の処分を軽くしてほしいと望んでいるのですから、不起訴にしておこうという判断に傾きやすくなります。

弁護士が被害者と示談を進めるときには、示談書と一緒に嘆願書も書いてもらうように依頼します。

(2) 被害弁償、贖罪寄付をする

被害者が示談に応じてくれない場合や、資力がなくて被害額の一部しか支払えない場合であっても、払える分の弁償金だけでも受け取ってもらうべきです。

被害者が示談には応じないが被害弁償については受けつけてくれる場合には、振り込み送金や現金書留を送付する方法などにより、弁償金を支払うことは可能です。少しでも被害弁償をしていると、何もしないより情状が良くなります。

被害者の怒りが強く、お金を受け取ってもらえない場合には、ケースにもよりますが、被害金額を供託する方法も考えられます。また、贖罪寄付(罪を償いとして金銭を寄付すること)によって反省の気持ちを示す方法もあります。

(3) 反省する

不起訴処分の獲得には、反省することも重要です。被疑者が悪びれる様子もなければ、検察官は「いったん起訴して処罰を与えるべき」と考えます。

取り調べ時には、しっかり反省して自分を見つめ直し、決して同じ過ちをしないと誓っていることを伝え、供述調書に反映してもらいましょう。

自筆で反省文を書いて、検察官に提出するのも有効です。

(4) 不利な供述をしない

万引きで逮捕されると、捜査官から事件について取り調べを受けます。このとき、捜査官の誘導に乗って必要以上に不利益な供述をしないことが大切です。

実際に万引きをした事実を認めるとしても、動機や犯行態様などの点で悪質だと思われると、起訴される可能性が高まるからです。

捜査官が「本当は罪の意識など全くなかったのだろう」「愉快犯だろう」「事前に計画していたのだろう」などとさまざまな誘導をしてきても、事実と違うなら否定すべきです。

事実と異なっていたとしても、一度供述調書になってしまうと、後で否定することが困難になってしまいます。

供述調書の内容についても自分の認識と異なることがないかしっかり確認してから署名押印してください。

4.弁護士に依頼するメリット

万引き窃盗で早期に身柄を釈放してもらうには、弁護士に依頼する必要性が非常に高いです。
最後に、その理由を説明します。

(1) 示談を進めやすい

逮捕された被疑者本人が被害者と示談を進めることは困難ですが、弁護士であれば、被害者に連絡を入れて示談の話合いを進められます。

また、被害者は被疑者に対して怒りを感じているので、被疑者本人との示談には応じにくいものですが、弁護士からの申し入れであれば、受け入れやすいです。

弁護士が、被疑者が反省していることや、家族がいること、初犯であることなど、被疑者の状況を伝え、示談に応じるように説得することも可能です。

さらに被疑者本人が被害者に「嘆願書を書いてほしい」などとはなかなか言えないものですが、弁護士であれば客観的な第三者としての立場から申し入れができます。

このように弁護士が早期に弁護活動を開始すると、起訴前に示談ができて不起訴処分になりやすいです。

(2) 不利益供述を防げる

万引きで逮捕されると「この先どのように手続きが進んでいくのか」など不安に思いますし、「家族や会社はどうなるのか?」など心配になるものです。

そのようなとき、取調官から厳しく追及されたら、つい誘導に乗って、不要な供述までしてしまうおそれが高いです。

また、逮捕後勾留に切り替わるまでの3日間は、たとえ家族であっても面会できないので、本人は大変心細い思いで生活しなければなりません。

逮捕当初の段階から弁護士が被疑者に接見に来ていたら、弁護士が今後の手続きの流れや適切な対応方法をアドバイスしますし、弁護士が本人を励ますので、本人の気持ちも落ち着きます。

これにより本人が捜査官の誘導に乗って不利な供述をするリスクを避けられます。

(3) 十分な打ち合わせができて、家族との連絡役になれる

勾留中は、家族であっても10~20分程度しか面会できませんし、その間捜査官が立ち会うので、本人と十分な話をすることはできません。

弁護士であれば、捜査官の立会なしに、無制限に面会できるので、充分に戦略を練ることができますし、家族との連絡役をつとめることも可能です。

以上のように、万引き窃盗犯が早期に身柄を釈放されるためには、逮捕後のなるべく早い段階から弁護士に依頼する必要性が高いです。

5.万引き事件の刑事弁護は泉総合法律事務所まで

万引きは、窃盗罪の中でも軽く考えられることが多い犯罪行為ですが、悪質なケースでは実刑になる可能性もあります。
また、仮に処分が罰金だったとしても、前科がつくことになります。

一般の方だけで出来ることは限られていますが、刑事事件に強い弁護士の力を借りることで、不起訴などの有利な処分を導くための具体的な対策を行動に移せます。

不利益をなるべく小さくするために、逮捕されたらすぐに刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。

泉総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が多数在籍しており、万引き事例で不起訴処分を獲得した実績なども豊富です。

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