居酒屋で酔っ払って暴力事件を起こしてしまった場合はどうなるか

暴力事件

居酒屋で酔っ払って暴力事件を起こしてしまった場合はどうなるか

【この記事を読んでわかる事】

  • 酔っ払った状態で暴力事件を起こしてしまったら罪の重さはどうなるか
  • 泥酔していて事件当初の出来事を覚えていない場合にはどうなるのか
  • 酔っ払っての刑事事件では弁護士はどのような弁護活動をしてくれるのか

 

金曜日になると、泉総合法律事務所には、酔っ払った勢いのまま居酒屋で暴力を振るってしまい、逮捕されてしまったというサラリーマンの家族の方がご相談に見えることがあります。

中には、お酒の席で暴力を振るってしまい、その当時の出来事を覚えていないという方もいらっしゃいます。酔っ払った状態での暴力事件では、被疑者の罪はどうなるのでしょうか。

以下においては、暴行事件と傷害事件、酔っ払って暴力事件を起こした場合の罪の重さ、酔っ払って覚えていない場合の刑事弁護、酔っ払って暴力事件を起こした場合の示談の重要性などについて、解説することとします。

1.暴行事件と傷害事件

暴力事件には、大きく分けて暴行罪に当たる事件と傷害罪に当たる事件があります。

暴行罪とは、相手に暴行を加えたものの、怪我を負わせなかった場合に成立する罪です。その場合は、2年以下の懲役、30万円以下の罰金、拘留又は科料が科せられます。

傷害罪とは、相手に暴行を加えて、怪我を負わせた場合(例えば、出血した、患部が腫れた、骨折した、病院で治療を受けたなど)に成立する罪です。

その場合は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

刑法204条 傷害罪
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法208条 暴行罪
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

居酒屋で暴力沙汰を起こしたと疑われた場合、人違いの場合はともかく、現実に暴行を加えている限り、当然どちらの罪に問われる可能性があります。

また、通報で駆けつけた警察官に手を出した場合、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されてしまう可能性もあります。

2.酔っ払って暴力事件を起こした場合

酔っ払って暴力事件を起こした場合、通常の状態での暴力事件と比べて、勾留の可能性や慰謝料の額は変わるのでしょうか。

勾留の可能性や慰謝料の額は、その事件ごとの態様によって異なりますので、一概には言えません。

ただ、一般的に言えることは、酔っ払って暴力事件を起こす場合、自制心が働かなくなり、手加減などできないことから、相手に勢いよく暴行を加えたり、罵声を浴びせたりなどして、相手に極度の恐怖心を与えるだけでなく、肉体的にも精神的にも、大きな打撃を与え、社会生活を送る上で、深刻な影響を及ぼすこともないわけではありません。

かつては、酒の上のことだからと寛容に扱う風潮もありましたが、最近では、むしろその罪の重さも、通常の状態での事件に比し、自己を制御できなかったものとして、事件の実態に応じた非難が強く加えられるようになってきています。

・否認している場合

しかも、暴力事件では、多くの場合、意識があるでしょうから、犯行を否認することはあまりないのに、泥酔していたから覚えていない、やったわけがない、という否認を続けますと、反省の意がないと受け止められ、逮捕・警察の留置場に留置されることになります。

そして、被害者の供述だけでなく、目撃者や防犯カメラ等の中立的・客観的な証拠の裏付けがあるのに、逮捕後も否認が続きますと、検察官による勾留請求、裁判官の勾留決定により、身柄拘束が続くことになる可能性があります。

逮捕、そして勾留となれば、最大で23日間、会社を欠勤することになり、無断欠勤を理由に解雇されたり、逮捕の事実が知れて懲戒解雇されてしまう可能性も出てきます。

3.酔っ払って覚えていない場合の刑事弁護

酔っ払って暴力を振るい、逮捕されてしまった場合、その者をⅠ日も早く、社会復帰させるためには、どのような弁護活動をしたらよいのでしょうか。

できれば、勾留、最悪でも勾留延長を阻止したいものです。

最初の10日間の勾留後、勾留が延長されるのは、事案が複雑な場合、共犯事件の場合、証拠収集が困難な場合などですから、一般的には、暴行罪や傷害罪で勾留が延長されるのは、例外的なはずです。

酔っ払っていたとしても、暴行を加えるという意識はあるでしょうから、実際には多くの場合、被疑者は暴行の事実を認めます。事実を認め、初犯であり、反省の態度が見える場合は、勾留されずに釈放されることも多いのです。

では、酔っ払っていて覚えていないという場合があるのでしょうか。

現実の刑事裁判でも、事件現場では、誰が見ても、合理的な行動と捉えられ、意識のない者の言動とはとうてい思われない場合に、当の本人は、事件の記憶がない旨弁解することもないわけではありません。

酔っ払って覚えていないとしても、暴力事件を起こして逮捕されてしまった場合、10日間の勾留は避けたいものです。

そのためには、逮捕された直後に、刑事弁護に造詣の深い弁護士に刑事弁護を依頼すべきです。

このような場合、弁護士は、暴行罪あるいは傷害罪の成立にとどまる限り、被疑者が、酔っていて覚えていないと否認を繰り返していても、法律家の目から見て、犯罪が成立することに間違いがなく、社会復帰を優先させるべきとの判断に至った場合には、法律的には争う余地がない旨、そして、このままでは勾留される可能性がある旨の説明をして、1日も早い社会復帰の方策をアドバイスするでしょう。

その上で、勾留にならないように法的な措置を取ったり、釈放に向けての弁護活動を迅速に行ってくれるはずです。

逮捕を免れた、逮捕後に釈放された、あるいは、勾留(場合によっては勾留延長)されたとしても、被疑者となっている場合には、1日も早く釈放されるためにも、また、下記4のように、前科を避けるためにも、被害者との示談が重要になります。

4.酔っ払って暴力事件を起こした場合の示談の重要性

酔っ払って暴力事件(暴行罪や傷害罪に当たる事件)を起こした場合、釈放や不起訴となるためには示談が必要不可欠になります。

捜査段階においては、示談が成立した場合、検察官は、起訴・不起訴の決定をするに際して、公判請求ではなく略式命令請求にとどめたり、あるいは、不起訴処分(起訴猶予)で終わらせたりすることも考えられるのです。

また、示談の成立によって、検察官は、事案によるとはいえ、事件の早期処理が可能になり、また、逮捕された被疑者を早期に釈放することも考えられます。

そして、示談が成立した場合には、その結果は最終的な判決において有利な情状として斟酌されますし、保釈の許否の判断でも有利な材料になるといえるのです。

このように、暴行罪や傷害罪のような犯罪では、示談の重要性は高いのです。

身柄拘束の有無にかかわらず、酔っ払って暴力事件を起こし、被疑者となってしまった場合は、お早めに弁護士にご相談ください。

5.まとめ

刑事事件は自分とは無関係だと思っていても、酔った勢いなどで突然被疑者になってしまう可能性があります。

暴力事件の弁護は、刑事事件の解決に長けた泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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