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盗撮で逮捕!初犯時の流れと不利益・解決法

盗撮で逮捕!初犯時の流れと不利益・解決法

【事例】
駅構内で、スマホを用いて女性のスカートの中を盗撮しているところを周囲の人に見つかり、現行犯逮捕されました。警察官の取り調べを受けたのち、初犯で、住所と勤務先もはっきりしているからと、その日のうちに釈放されました。

盗撮行為で初犯の場合は、仮に現行犯逮捕されたとしても、身元の確認さえできれば、釈放されて在宅事件となることがほとんどです。

捜査機関からの呼び出しがあり得るものの、通勤通学も可能です。

逮捕前の日常とライフサイクルが変わらないため、混乱や不安を抱えつつも、事件をそのままにして警察の連絡を待つ方も少なくありません。

しかし、事件を捜査機関に委ねてそのままにしておくと、あなたの一生を左右する重大な不利益を残すことになりかねません。必ず弁護士に相談すべきです。

今回は、盗撮(初犯)で在宅事件となった場合をケース事例として、釈放後の流れがどうなるか、どんな不利益が生じうるのか、実際何をすべきなのかを、しっかり解説していきます。

1.釈放後の在宅事件の流れ

(1) そもそも在宅事件とは

逮捕後に釈放され、そのまま捜査が進行する場合は「在宅事件」の一つです。
身柄を拘束されないのが在宅事件であり、最初から逮捕されていない場合と逮捕勾留されたが途中で釈放された場合が含まれます。
(これに対し、被疑者が逮捕勾留されて、身柄を拘束されたまま捜査が進行する事件を身柄事件と言います。)

在宅事件では、捜査が進行している間にも、家庭で普通に生活を送り、通勤や通学も自由ですが、捜査機関から呼び出しが来た時には出頭することになります。

(2) 在宅事件に期限はない

身柄事件では、検察官が被疑者を起訴するか、それとも不起訴とするかの処分を決めるまでの期間は、逮捕から最大23日以内という期間制限があります。しかし、在宅事件では期間制限がありません

このため在宅事件では処分の結果が出るまで、何ヶ月、長い時には何年もかかる場合があります。期間は捜査機関の仕事の忙しさなどに左右されるので予測は困難です。

(3) 起訴処分と不起訴処分

盗撮事件が在宅事件として捜査が進行し、被疑者の取り調べ、関係者の事情聴取など証拠の収集が終了した段階で、検察官が処分を決めます。処分は、「起訴」と「不起訴」に別れます。

起訴とは、裁判所に対して被疑者の処罰を求めるもので裁判にかけられるということです。
不起訴とは、裁判にかけられないということです。

不起訴処分には、主に①嫌疑なし(調べた結果、犯罪事実がなかった)、②証拠不十分(疑いはあるが、有罪を求めるだけの十分な証拠はない)、③起訴猶予(有罪が見込めるが、諸事情を考慮して起訴しない)の3種類があります。

不起訴となると、その盗撮行為を理由として逮捕されたり、刑事処分を受けたりすることは事実上ありません。

2.盗撮で起訴された場合の不利益

(1) 刑事処分

まず、犯罪を行ったことに対する刑罰を受ける不利益があります。各都道府県の迷惑防止条例違反であったり(※)、軽犯罪法違反(軽犯罪法第1条23項)で起訴されるケースなどがあります

※ 例として東京都の場合を記載します

【東京都の例】
東京都迷惑防止条例
(第5条)
・正当な理由なく、人を著しく羞恥させる行為、または、人に不安を覚えさせるような行為であること。
・普通は衣服で隠されている下着や身体を撮影対象として、撮影する行為、撮影目的で撮影機器を向ける行為、撮影機器を設置する行為であること。
・行為の場所は、①住居、便所、浴場、更衣室など、人が普通は衣服の全部、一部を着けない状態でいるような場所、②公共の場所、公共の乗物(電車、バス)、学校、事務所、タクシーなど、不特定又は多数の者が利用、出入りする場所や乗物であること。
(同第8条)
・撮影機器を設置したり、差し向けたりしたときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金。ただし、常習犯は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
・撮影をしたときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。ただし、常習犯は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金。

ここで重要なのは、たとえ罰金や科料であっても有罪判決による刑罰を受けたことになるので、「前科」がついてしまうことです。

前科の記録は、警察のデーターベース上に一生涯残ります。仮に勤務先を解雇されて再就職となった場合、しっかりした企業・組織ほど前科前歴の照会などを徹底しますので、再就職に大きな影を残すことになります。

(2) 解雇等の懲戒処分

罰金刑などの有罪判決を受けて前科がつくと、勤務先を解雇されるリスクが飛躍的に高まります。

① 民間企業の場合

民間企業では、就業規則において、「会社の名誉、対面、信用を毀損したとき」には解雇を含めた懲戒処分を行うと定められていることが一般的であり、盗撮行為はこれに該当するものとして、懲戒解雇をされてしまう場合があります。

実は、法律的には、業務と無関係な私生活上の犯罪行為を原因として解雇することは例外的な場合を除いては許されず、そのような解雇は無効です(最高裁昭和49年3月15日判決)。

しかし、法的に無効といっても、実際に解雇されればそれまでです。民事訴訟で争わなくてはならなくなり、時間的にも費用的にも大変なコスト負担となります。

② 公務員の場合

公務員の場合、国家公務員でも地方公務員でも、有罪判決が公務員としての欠格事由とされており、当然に失職となります(国家公務員法38条、76条。地方公務員法16条、28条)。

参考:公務員・教員の刑事事件(盗撮、痴漢、人身事故、傷害)と懲戒処分

(3) 目指すべきは不起訴処分

罰金等の刑事処分も、解雇等の不利益処分も、起訴処分を受けることで現実味を帯びてきます。逆に言えば、起訴処分を受けないこと、すなわち不起訴処分を獲得することが、極めて重要になるわけです。

3.不起訴をどうやって獲得するか

では不起訴処分を獲得するためには、何が必要なのでしょうか。
最も有効な方法は、被害者との示談(じだん)です。

(1) 被害者との示談

刑事事件における示談とは、示談金を支払う代わりに、被害者から、もはや被疑者の処罰を望んでいないという意思を示してもらい、それを記載した示談書を作成することです。

示談が成立したら、示談書に、「被疑者を宥恕(ゆうじょ)する」(※)あるいは「寛大な処分を求めます」などの文言を記載してもらい、これを検察官に提出します。
※「宥恕」とは寛大な気持ちで許すという意味です。

盗撮行為が初犯で、示談が成立していれば、特別な事情のない限り、まず不起訴となります。

示談をするためには示談交渉が必要です。示談交渉は、依頼を受けた弁護士が行うのが通例です。被疑者本人が行うのは実際上不可能で、現実的ではないからです。

(2) 示談ができないときは、贖罪寄付

盗撮の場合、被害者を特定できないケースもあり、その場合は示談ができません。
その場合、示談に代わるものとして、贖罪寄付(しょくざいきふ)をするという方法もあります。

贖罪寄付とは、被害者のいない犯罪の被疑者や、被害者に示談を拒否された被疑者が、罪を反省して償う気持ちを示すために行う寄付です。

たとえば、日本弁護士連合会や各地の弁護士会が贖罪寄付を受け付けており、寄付された金銭は公益的な目的で使われ、寄付を受けたという証明書を発行してくれます。この証明書を被疑者が反省している証拠のひとつとして検察官に提出して不起訴処分を求めるのです。示談の成功ほどの強力な効果はありませんが、裁判実務においては有利な事情として考慮されています。

贖罪寄付は、弁護士会の他に、交通遺児育英会や日本財団などで受付をしています。贖罪寄付を受け付ける団体によっては、弁護士を通じての寄付しか受け付けない場合もあります。また、どの程度の金額を寄付するべきかは事案によって異なるので、弁護士に相談して寄付を行うことが重要です。

参考:贖罪寄付・供託により本当に情状が考慮されるのか?

4.まずは弁護士に相談を

盗撮行為で起訴され有罪判決を受けたという事実が残れば、あなたの人生を根本から変えてしまいます。

在宅事件が始まったばかりならば、出来ることは沢山あります。

しかし、時間の経過と捜査の進捗により、できることはどんどん少なくなります。時間との勝負ですので、いち早く弁護士に相談すべきです。

泉総合法律事務所には、刑事事件を得意とする弁護士が多数在籍しており、解決実績も豊富です。
盗撮事件でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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